私は、これまで一貫して市民の側に立った弁護活動を続けてきました。
諫早湾干拓事業に翻弄された有明海の漁業者達
満州に置き去りにされた中国残留孤児の皆さん
戦時中福岡の炭鉱で働かされた中国の人たち
産業廃棄物によって故郷を汚染された人たち
在日コリアンの子ども達
原発事故の被災者や、原発をなくそうと闘う人たち。
そして、子ども達を戦場に送らないと闘う女性たち。
私の事務所には日々、様々な方が駆け込んできます。
病気をして失業した方、リストラにあって生活費に困っている方、残業代を払ってもらえない方、パワハラにあっているけど生活のために転職できないと悩む若者。養育費ももらえず一人で子どもを育てる若いお母さん。
今回、市民の中から、私を県知事に推す声が広がっていきました。
このままでは原発が再稼働される、わが子が戦場に送られる、若者の未来が奪われる。
皆さんの不安は私が常々感じているところです。
子を持つ親として、私も、子ども達にどんな社会を残してあげられるのか。
そのために自分は何ができるのか、常に考えています。
子ども達に残す未来は、放射能の不安に怯える社会なのか。
農業漁業が衰退し食料を外国に頼る社会なのか。
テロの恐怖に怯える社会なのか。遠い外国で人殺しをさせられる社会なのか。
そんな社会を子ども達に残したくはありません。
そうであれば、子ども達の未来に責任を負う大人として、やるべきことは決まっています。
子ども達に放射能や戦争の不安がない社会を作ることです。
原発再稼働にNoを突きつけること、集団的自衛権行使に全力で反対すること、
この国の食料を破壊するTPPに反対すること、憲法改正に断固反対すること。
しかし、安倍政権は、原発再稼働、集団的自衛権行使、TPP推進、
非正規雇用の拡大に突き進み、子ども達の未来を奪っています。
大人たちの一時の快楽つまりお金のために子ども達の未来を奪おうとしているのです。
そして、現知事も安倍政権に追従するばかりで、集団的自衛権についても、TPPについても、
原発再稼働についても、反対しないどころか、安倍政権の姿勢を積極的に評価する発言に終始しています。
政権いいなりの姿勢は500万人県民の生命を預かる知事として許されるものではありません。
私も、幼い子を持つ親として、政権追従の知事に子ども達の生命を預ける訳にはいきません。
私を福岡県の代表に推す市民の皆さんの気持ちは痛いほど伝わりました。
皆さんと気持ちは同じです。
皆さんの気持ちをきちんと受け止め、子ども達に明るい未来を残すため、今回、受諾を決意しました。
私には人並み外れた能力はありません。
しかし、小さな声を聴く耳と、その声を素直に受け止める心は持っています。
どうか皆さんの声を聴かせてください。
私は息をする力もない未熟児として生まれました。体が弱く学校も休んでばかりでした。
その私が、この年まで生きて、弁護士という仕事に就き、家庭を持ち子どもにも恵まれました。
私は、子どもの頃から自分の生命は自分のものではなく、与えられた生命だと感じていました。
与えられた生命であれば、自分のためにつかうのではなく、社会のために使うべきだと感じています。
県民の皆さんの生命と暮らし、そして子ども達の未来を守るために
福岡県の代表にとの要請をお受けする決意をいたしました。
子ども達の未来のために闘う決意です。
2015年1月26日
後藤富和
後藤富和