2015年02月09日

電動車椅子裁判、勝訴!

電動車椅子裁判、勝訴!
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障害者の社会参加の権利が問われた裁判。
心臓病がある福岡県筑後市の小林奈緒さんが、障害者自立支援法に基づく電動車椅子の支給申請を筑後市が却下したのは違法として、福岡地裁に市の処分取り消しを求めたさいばんで、小林さんの請求を全面的に認める判決が出ました。

小林奈緒さん(原告)の言葉
自分で色々なところに行ってみたいな。
行政にはなんで今回こんな裁判が起こったのかを真剣に考えて欲しい。
行政には障害者(申請者)側からの視点が欠けている。自分が障害者だったらと想像する努力をして欲しい。

紫藤拓也弁護士の電動車椅子裁判報告集会での発言。
おめでとう、そして、ありがとう。
私も障害児を持つ親です。彼女がたたかってくれたおかげで、私の子どもの未来にも道が拓けた。
行政の間違いを正すために勇気を持って立ち上がってくれた。
私に電動車椅子をくださいというたたかいではなく、私たちのように苦しんでいる人たちに電動車椅子をというたたかい。
彼女の勇気は多くの人たちに希望を与えた。ありがとう。

後藤の発言
行政の側で等級や型を決めて、障害者にその型に応じた生活をせよというのは、逆じゃないか。
障害者一人ひとりが何をしたいのか、そのためには行政は何をすればいいかという発想で福祉施策に当たるのが本来の姿ではないか。
そんな当たり前のことを裁判までしないと分からない行政は間違っている。
今回の判決は県の行政を大きく変えていくきっかけとなりますし、福祉のあり方を変えていきましょう。
posted by 後藤富和 at 11:06| 人権

2015年02月07日

最近の若者はたるんでいるのか

最近の若者はたるんどう。徴兵でもして鍛え直した方が良いなどと勇ましい声が聞かれます。
でも、本当に最近の若者はたるんでいるでしょうか。
私は西南学院大学と福岡大学で授業を持っていましたので、今の大学生に接する機会がたくさんあります。
そこで感じるのは、今の若者たちは、たるんでいるどころではなく、私たちの学生時代とは比べようもないほど、きちんと勉強し努力しています。努力して努力して努力しても、正社員になれないというのが実情です。
そうやって若者の努力が報われない社会にしてしまったのは私たち大人の責任です。
若者の未来を奪う非正規の拡大、残業代ゼロには断固反対です。
若者が未来に希望が持てる福岡県を実現するために頑張ります。

「後藤とみかずとみんなで創る笑顔の福岡県の会」facebook ページに「いいね!」をお願いします。
https://www.facebook.com/home.php
posted by 後藤富和 at 14:54| 人権

人間の尊厳守って欲しい!! 福岡県連などが帰国者2世対策会議

「人間の尊厳守って欲しい!! 福岡県連などが帰国者2世対策会議」(日中友好新聞2015.2.5)
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中国帰国者2世の会、弁護士、協会福岡県連の3者による「中国残留邦人帰国者2世の問題」の話し合いが1月13日、県連事務所で開かれました。
この日は、2世の会木村友和会長をはじめ4人、帰国者の会の木村琴江会長、川添緋砂子事務局長、協会福岡支部長の後藤富和弁護士、中原昌孝弁護士ら4人の弁護士、帰国者1世を長年支援してきた名和田澄子さん、協定県連の松山盛利副会長ら4人が参加しました。
帰国者2世から現状がこもごも語られました。
「私は20年前、47歳の時に帰国した。17年働き、わずかだが年金をもらっている。生活できなくて5年前から生活保護を受けている。4年前に中国の養父母に会いに行った。飛行機代は年金をためて購入したのに生活保護費から削られた。その間、生活がとても厳しかった。生活保護では海外旅行は認めていないと言われた」
「中国の養父母のお見舞いに行くとか墓参する場合に、中国は広いから、生活保護での渡航期間を2週間しか認めないのは現実的でない。せめて支援法で認められているように2カ月は欲しい」
「病院に行って通訳がいないのは大変困った。先生に病状が分かってもらえたのか不安だし、先生の言っていることが理解できないことが多い。通訳をお願いするのは予約しないとだめで日にちがかかり、間に合わない」
「生活保護受給の際にとても耐えられない言葉を投げかけられた」
「日本語が話せないために仕事でも差別を受け厳しい労働にしか就けず、体を壊している人が多い」
帰国者2世の方は全国で2万4000人以上いるそうですが、国も市も現状を把握していません。
この日の話し合いでは、生活保護に頼らざるを得ず老後の生活の不安も抱えている現状を何とか改善したいと、国や県、市などにも2世の要求を提出しようと「申し入れ書」をまとめることになりました。
弁護士さんの支援もあり、2世の問題の解決にはこの福岡から全国へ発信していこうと参加者一同決意を新たにしました。
posted by 後藤富和 at 08:48| 人権

2015年02月04日

韓国の社会運動〜市民の力が街を変える

毎週火曜日に市民と弁護士が行っている憲法学習会「terra cafe kenpou」。
昨夜は、terra cafeメンバーの日高明子さんを講師に「韓国の社会運動〜市民の力が街を変える」をテーマに日高さんが実際に韓国を訪問し見聞きし感じたことを報告していただきました。
今回、日高さんが訪問したのは
*ソンミサンマウル
*ソウル市立青少年職業体験センター(ハジャセンター)
*非正規労働者センター
*ソウル市高齢者介護福祉支援センター
*青い夢介護福祉センター
*全国障害者差別撤廃連帯

ソンミサンマウルは、1992年に画一的な幼稚園保育に不満を感じた共働き夫婦25組が、お金を出し合い共同育児施設「私たちの子どもの家」を設立したことがきっかけ。アトピーの子どもの「アイスクリームを食べたい」という思いをかなえる為、共同でアイスクリーム製造器を購入しカフェを作るなど、「こうありたい」を地域ぐるみで実行しています。
ソンミサンする5ヶ条
1.わがまま歓迎
2.けんかワクワク
3.優秀なリーダーはいらない
4.仲間とのリスクは楽しい
5.意見一致をがんばるよりやってみる

ソウル市立青少年職業体験センター(ハジャセンター)は若年層の失業問題と「学校以外に集まれる場を」との市民の声が高まり設立。ソウル市の特化機能施設として、市の補助金を受けて運営しており、管轄はソウル市青少年課ですが、センターのスタッフは市の職員ではありません。センターでは、職員を「パンドル」(舞台を動かす人)と称し、役職は事実上存在せず、親しみやすいニックネームで呼ばれています。

ソウル市高齢者介護福祉支援センターはパク・ウォンスンソウル市長の公約で2013年に業務開始した韓国初のケアワーカー施設。
韓国では、ヘルパー(療養保護者)の有資格者は123万人(男性8.7% 女性91.3%)ですが、実際に就労しているのは25万人にすぎず、平均年齢56歳。ほとんどが非正規雇用労働者。月給80万ウォン以下が7割を占めます(看護師の3分の1、社会福祉士の半分程度)
社会的評価は低く、介護以外の家事労働を強要され(家政婦あつかい)、セクシャルハラスメントなどの被害を受けることもあるそうです。
センターは、「介護する側が幸せでなければ、質の高い介護はできない」として、介護文化の認識改善に取り組んでいます。
全国障害者差別撤廃連帯では「障害等級の廃止」と「扶養制度の廃止」に取り組んでいます。
驚いたのは、障害の程度によって等級でわけているのは、世界の中で日本と韓国だけということ。医師の診断による等級ではなく、当事者個人のニーズに応じた支援計画が立てられるべきだとの考えから障害等級の廃止を求めています。
また、個人の自立を妨げるとして、家族に扶養義務を課す扶養制度の廃止も求めています。

パク・ウォンスンソウル市長を先頭にソウル市が脱原発にシフトしている状況についても報告していただきました。
日本の自治体の首長の多くがエネルギー政策は国が決めることとして自治体の長として国に追従する姿勢でいるのに対し、ソウル市長は、エネルギーの消費地であるソウル市だからこそ、エネルギー政策についても声を上げるべきとして、市長が先頭に立って脱原発運動を行っています。
福岡県も圏内に原発はないから県政の課題ではないと逃げるのではなく、九州最大の電力消費地であり、かつ玄海原発に事故があった場合甚大な被害を被る危険性が極めて高い地域であることから、500万人県民の生命と健康、暮らしを守るために国と九州電力に対して声を上げていくべきだと思います。

大変多くの方にご参加いただきました。部屋に入りきれず隣室での参加となった皆様にはご迷惑をおかけしました。

来週は詩人のアーサー・ビナードさんを講師に「おめでたいニッポンに、春は来るのか?」をテーマに現在の日本の状況を語っていただきます。
来週は会場、および時間が異なりますのでご注意ください。

箱崎まちなか九条の会発会記念アーサー・ビナード氏講演会
「おめでたいニッポンに、春は来るのか?」
講師 アーサー・ビナードさん(詩人)
日時 2月10日(火)18:30
場所 勝楽寺(福岡市東区箱崎3-9-48)
会費 1200円
どうぞお楽しみに。

【これからのterra cafe kennpouの予定】

2月10日(火)18時30分 箱崎まちなか九条の会発会記念アーサー・ビナード氏講演会「おめでたいニッポンに、春は来るのか?」(会場:勝楽寺(東区箱崎3−9−48)、当日1200円)

2月17日(火)19時「15年戦争のはじまりと満州国建国、日本と満州国皇帝溥儀」岩佐英樹(元高校教師)

2月21日(土)13時 やま・かわ・うみ・そらフェスティバルin九州 九州公害被害者総行動実行委員会(会場:天神エルガーラ中ホール、参加費300円)

2月24日 (火)19時 平頂山事件 高尾翠(中国近代史研究者)

3月3日(火)19時 憲法講座4「包括的基本権と法の下の平等」三好有理(弁護士)

3月10日(火)19時 ヘイトクライムを考える

3月17日(火) 憲法講座5「精神的自由権」八木大和(弁護士)

3月22日(日)14時 「満州国」の光と影 熊野直樹(九州大学大学院教授)、緒方用光(元日本ヘラルド九州支社長、元満州映画協会社員) 会場 大名クロスガーデン、 参加費500円

3月24日(火)19時 お休み

3月31日(火)19時「地方創生のカラクリ〜あるべき地方自治とは」 宮下和裕(自治体問題研究所)

4月7日(火)19時 「留学生から見た日本」 留学生

4月14日(火)19時 「破壊される医療と介護」岡崎誠(福岡県歯科保険医協会)

4月21日(火)19時 憲法講座6「経済的自由権、人身の自由、国務請求権と参政権」清田美喜(弁護士)

火曜日夜の学習会の会場は光円寺門徒会館(福岡市中央区天神3丁目)です(2月10日、2月21日、3月22日は別会場です)。
予定は入れ替わるかもしれません。下記サイトでスケジュールをご確認ください。
http://www.ohashilo.jp/pdf/TerraCafeKENPOU.pdf
なお急遽会場変更になることもございます。変更の場合は下記サイトでご案内いたします
http://blog.ohashilo.jp/
参加費 無料
お問い合わせ 弁護士 後藤富和 Eメール gotou@ohashilo.jp
posted by 後藤富和 at 07:41| 人権

2015年01月26日

なかよし共同作業所

昨日の南福寺星祭バザーでおとなりのブースだった「なかよし共同作業所」のガラスの小鉢。
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相談室に飾っています。
「なかよし共同作業所」
http://www16.ocn.ne.jp/~onigiri7/index.htm
posted by 後藤富和 at 18:40| 人権

2015年01月25日

結〜ふくおか

南福寺(福岡市中央区桜坂)の星祭りに参加しました。
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友人の浦照明君が代表を務める「結〜ふくおか」の東日本震災被災者支援バザーをお手伝いしました。
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「結〜ふくおか」は、阪神淡路大震災を教訓に、障害者の立場で、災害時に障害者を支援するために設立されました。
posted by 後藤富和 at 17:51| 人権

2015年01月23日

にじいろ文化祭

にじいろ文化祭
あなたの「にじいろ」を見せてください。

にじいろ文化祭って
「多様な性」についてのみんなの想い、イメージを発表する催しです。
誰でも見に来ることができます。
【ステージ部門】
福岡市の中学校吹奏楽部による演奏
スピーチコンテスト
にじいろ合唱団
【展示部門】
絵画、写真、映像、詩、などなど
いろんな人の、それぞれの思いと一緒に紹介します。

日時 1月24日(土)午後1時〜5時
場所 福岡市西市民センター
共催 福岡市、FRENS〜Fukuoka Rainbow Educational NetworkS〜
http://blog.canpan.info/frens/
posted by 後藤富和 at 15:50| 人権

2014年12月01日

【terra cafe】橋のない川

毎週火曜日市民と弁護士が行っている憲法学習会「terra cafe kenpou」。
今週のterra cafeでは、同和問題をテーマに映画「橋のない川」を視聴します。
映画に先立ち、18時30分から同和問題についてterra cafe参加者の安河内信人さんが解説します。
お楽しみに。
日時 12月2日(火)19時から上映(18時30分から解説。都合がつく方はどうぞ)
場所 光円寺門徒会館(福岡市中央区天神3-15-12)
参加無料
※なお急遽会場変更になることもございます。変更の場合は下記サイトでご案内いたします。
http://blog.ohashilo.jp
参加費 無料
※学習会終了後希望者で交流会を行います(交流会参加費2000円。学生1000円、留学生500円)
今後の予定
http://www.ohashilo.jp/pdf/TerraCafeKENPOU.pdf--
12月9日 「憲法9条の国際的価値〜私の経験から」木村公一(牧師)
12月16日 憲法講座第2回「総論(国民主権の原理、平和主義の原理)」清田美喜(弁護士)
憲法講座(全12回)のスケジュール
http://www.ohashilo.jp/pdf/TerraCafeKENPOU_Lecture.pdf
posted by 後藤富和 at 14:25| 人権

フクシマ世代の責任

板井優弁護士の意見陳述(大飯原発差止訴訟控訴審)
九電などの電力会社は、新規制基準をクリアすれば、再稼働して良いと考えているようです。しかし、原子力規制委員会委員長自身が、新規制基準を満たしたから安全だとは言っていません。
私たちは、新規制基準はためにする基準に過ぎないと考えています。私は、端的に言って、新規制基準は操業のための基準でしかないと思っています。基準の問題と安全の問題は異なります。例えば、チッソは水銀に関する水道法の基準をクリアしていましたが、それでも水俣病は起こりました。
原発から自由な社会を作ることは、福島での原発事故を体験した「フクシマ世代」である私たち一人一人が負う歴史的な使命である。
posted by 後藤富和 at 10:05| 人権

2014年11月11日

多様な性を考える

毎週火曜日に市民と弁護士が行っている憲法学習会「terra cafe kenpou」。
今夜のterra cafeでは、FRENS(Fukuoka Rainbow Educational NetworkS)代表・石崎杏理さんを講師にお招きして「多様な性を考える」をテーマにセクシャルマイノリティの権利についての学習しました。
26名が参加。
性の多様性
ついつい言っちゃいませんか?言われたことありませんか?
「女なんだから」「男なんだから」
「女」ってどんなひと?
「男」ってどんなひと?
窮屈な枠にはまって生きるのが好きな人も、しんどい人もいますよね。
3つの要素
・身体の性
→典型的な特徴をもつひと
→典型的ではない特徴をもつひと=性分化疾患、インターセックス
・性自認
→身体の性と一致しているひと
→身体の性と一致していない人=性同一性障害、トランスジェンダー
・性的指向
→異性愛者(ヘテロセクシャル)
→同性愛者(ゲイ、レズビアン)
→両性愛者(バイセクシャル)
→無性愛者(アセクシャル)
ホモ、オカマ、オカマ、長らく蔑称として使われ、その言葉を聞くと傷つく人も多い。
セクシャルマイノリティってどれぐらいいるの?
人口の5.2%(30人学級に約1人)
あなたのまわりに、多様な性の人はいますか?
誰もあなたにカミングアウトしなかっただけ
戸籍上「他人」の困るところ
・扶養に入れない
・緊急医療で
・一緒に暮らす家探し
好きな相手の性別と、自分の性は別。
多くの異性愛者と同じように「同性愛者になるぞ!」と思って同性愛者になるわけなじゃい。
どんな理由でも差別されていい人はいません。
「オネェタレント」いっぱい出てる。笑い者にされる。子ども達はこれを見ている。先生もそれを問題と思わない。
こんな風に生まれた自分が悪いと思い込んでいた。
どんな性別の体に生まれたか、が人柄や生き方を規定するのは、変。


posted by 後藤富和 at 23:46| 人権

2014年11月10日

【明日】セクシャルマイノリティの権利

毎週火曜日に市民と弁護士が行っている憲法学習会「terra cafe kenpou」。
明日11月11日のterra cafeでは、FRENS(Fukuoka Rainbow Educational NetworkS)代表・石崎杏理さんを講師にお招きして、「セクシャルマイノリティの権利」についての学習します。
石崎さんはこれまで、多様な性が尊重される社会を目指して、街頭アクションや講演会、当事者やその家族の居場所作りなどに取り組んでこられました。
統計によると、自分の身体や性別に何らかの違和を覚える人は、人口の3〜5%、大体20人に1人程度だとされています。
学校のクラスに例えれば、1人もしくは2人くらいはセクシャルマイノリティだということになります。
しかし、私たちの社会は、多くの場面で「男」「女」といったくくりでわけられてはいないでしょうか?
男性は「男らしく」、女性は「女らしく」ふるまうことが、よしとされる社会でもあります。
しかし、「らしさ」ってなんでしょう?
セクシャルティの在りようは、「赤」「青」のように単純に分類できるものではなく、虹の色のように多彩であり、人によって様々です。
「らしさ」に縛られることなく、自分と違うセクシャリティを持つ他者を尊重し、私たち一人一人が自由に生きる為には?
石崎さんにお話をうかがいたいと思います。
お楽しみに!

日時 11月11日(火)19時-21時
場所 光円寺門徒会館(福岡市中央区天神3-15-12)
参加無料
※なお急遽会場変更になることもございます。変更の場合は下記サイトでご案内いたします。
http://blog.ohashilo.jp
※学習会終了後希望者で交流会を行います(交流会参加費2000円。学生1000円、留学生500円)
今後の予定
http://www.ohashilo.jp/pdf/TerraCafeKENPOU.pdf--
posted by 後藤富和 at 20:44| 人権

2014年11月07日

【terra cafe】セクシャルマイノリティの権利

毎週火曜日に市民と弁護士が行っている憲法学習会「terra cafe kenpou」。
11月11日のterra cafeでは、FRENS(Fukuoka Rainbow Educational NetworkS)代表・石崎杏理さんを講師にお招きして、「セクシャルマイノリティの権利」についての学習会を行います。
石崎さんはこれまで、多様な性が尊重される社会を目指して、街頭アクションや講演会、当事者やその家族の居場所作りなどに取り組んでこられました。
統計によると、自分の身体や性別に何らかの違和を覚える人は、人口の3〜5%、大体20人に1人程度だとされています。
学校のクラスに例えれば、1人もしくは2人くらいはセクシャルマイノリティだということになります。
しかし、私たちの社会は、多くの場面で「男」「女」といったくくりでわけられてはいないでしょうか?
男性は「男らしく」、女性は「女らしく」ふるまうことが、よしとされる社会でもあります。
しかし、「らしさ」ってなんでしょう?
セクシャルティの在りようは、「赤」「青」のように単純に分類できるものではなく、虹の色のように多彩であり、人によって様々です。
「らしさ」に縛られることなく、自分と違うセクシャリティを持つ他者を尊重し、私たち一人一人が自由に生きる為には?
石崎さんにお話をうかがいたいと思います。
お楽しみに!

日時 11月11日(火)19時-21時
場所 光円寺門徒会館(福岡市中央区天神3-15-12)
参加無料
※なお急遽会場変更になることもございます。変更の場合は下記サイトでご案内いたします。
http://blog.ohashilo.jp
※学習会終了後希望者で交流会を行います(交流会参加費2000円。学生1000円、留学生500円)
今後の予定
http://www.ohashilo.jp/pdf/TerraCafeKENPOU.pdf--
posted by 後藤富和 at 12:08| 人権

2014年10月31日

【九弁連】全面的可視化と全面的証拠開示をめざして

九州弁護士会連合会第67回定期大会シンポジウム「全面的可視化と全面的証拠開示をめざしてーえん罪を生まないガラス張りの刑事司法を!-」(鹿児島)に参加しています。

【志布志事件】(野平康博報告)
存在しなかった4回買収会合の舞台
入水自殺(未遂)
刑事事件無罪判決の問題点
1 任意性・特信性を認め、自白調書採用
→異常な取調べ
箝口令・供述合わせ・収斂せず。
→秘密交通権の組織的侵害
2 証拠開示なし
→検察官は証拠を誤魔化す
生証拠を加工
そして、捜査報告書を作成
4つの国賠訴訟
1 踏み字国賠
→判決 公権力を笠に着た違法な取調べと断罪
2 秘密交通権侵害国賠
→判決 固有権としての秘密交通権の組織的侵害
3 たたき割り被害国賠
平成18年提訴(平成27年3月判決か)
4 無罪国賠
平成19年提訴(平成27年3月判決か)
県警の捜査の違法
1 確度の低い端緒
嫌疑なき連行・取調べ
2 たたき割りによる自白強要
3 虚偽の嫌疑の作出
箝口令という名の供述合わせ
4 秘密交通権の組織的侵害
検察官の公権力行使の違法
1 5回公訴提起の違法
合理的な嫌疑がないと判断すべきであった
2 起訴後の接見禁止請求、保釈不相当の意見提出し、保釈決定に対する抗告
3 アリバイを認識し得たのに漫然と公訴維持
原告らの無実を知りながら、アリバイ成立を恐れて訴因不特定
接見交通権を組織的に妨害し、公判中に否認に転じることを阻止した

【大崎事件】(鴨志田祐美報告)
原口さんの自白の不存在
自白事件として扱われた共犯者たちの公判手続と同時並行処理された
知的障がい者に対する配慮に欠けた審理
→原口さんは一貫して犯行を否認したが、懲役10年の有罪判決を受けた。控訴、上告とも棄却され、原口さんは満期服役した。
第1次再審請求→棄却
第2次再審請求→現在、特別抗告係属中(最高裁)
脆弱な証拠構造
大崎事件と全面的可視化〜供述弱者の自白〜
取調べ段階
・質問の意味がわからない→繰り返し同じ事を聞かれる→叱られていると思う→これ以上叱られたくない→「はい」と答えると優しくしてくれる→自白調書が作られる←密室なので実情は闇の中
公判段階
・公判法廷での自白だから任意性あり?
←ほとんど語られていない
←弁護人・検察官・裁判官の違いが分からない
←刑事が傍聴席で見張っている
←「何を言っても無駄だ」という絶望感
→公判廷の自白の過信への疑問
証拠の偏在
・圧倒的な証拠収集能力の差
・検察は有罪方向の証拠のみ提出
・無罪方向の証拠は隠されたまま
再審と証拠開示

【基調報告】「法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会」の審議状況及び審議結果等について(小坂井久)
法整備のための要綱(骨子)の概要
(対象事件)どんな事件で取調べの録音・録画が義務付けられるのか
裁判員対象事件・検察官独自捜査事件→それ以外の事件は対象外
(対象者)誰に対する取調べで録音・録画が義務付けられるのか
逮捕・勾留されている被疑者→逮捕前の被疑者や被害者・参考人は対象外
(例外事由)全過程録音・録画の例外はqるのか
@録画機器の故障など記録が困難なとき(物理的支障)
A被疑者が録画・録音を拒否するなど記録すると被疑者が十分に供述できないとき(本人の拒絶など)
B被疑者の供述内容が明らかにされると、被疑者や親族に危害が及ぶおそれがあり、記録すると被疑者が十分に供述できないとき(心理的支障)
C指定暴力団の構成員による事件(暴力団構成員事件)

【パネルディスカッション】
指宿信(成城大学教授)、小坂井久(弁護士)、桜井昌司(「布川事件」えん罪被害者)、周防正行(映画監督)
日本の刑事裁判の最大の問題は、密室(ブラックボックス)の中で捜査機関によって作文が作られていること。そして、その一人称独白の奇妙な作文が裁判所に第一級の証拠として扱われていること。
「市民は、裁判官はすべての証拠を見てから判断しているものと誤解している。証拠は公共の財産であり、被告人に有利な証拠もすべて開示されるべきだ。検察官の財産じゃない。隠すのはおかしい。被告人が証拠にアクセスできる権利が保障されなければえん罪はなくならない。すべての証拠の全面開示を求める」(周防正行)
透明性と説明責任(指宿信)
えん罪は警察が作る。警察はその作り方を見せたくない。街中に監視カメラが付いているけど、警察署の中にこそカメラをつけろ。(桜井昌司)
posted by 後藤富和 at 13:04| 人権

2014年10月29日

terra cafe今後の予定

今後のterra cafe kenpouの予定をお伝えします。
11月からは月に1度、憲法を体系的に学習します(全12回)。若手弁護士が講師をつとめます。憲法を読んだことないという方はもちろん、もう一度きちんと学習したいという方や、資格試験や公務員試験、学部の試験対策として憲法を学びたいという方にも最適です。お楽しみに。

11月4日 集団的自衛権のトリック 半田滋氏の講演映像視聴
11月11日 セクシャルマイノリティーの権利 石崎杏理(FRENS(Fukuoka Rainbow Educational NetworkS)代表)
11月18日 生物多様性条約締約国会議報告 後藤富和(弁護士、福岡県弁護士会公害環境委員会委員長)
11月25日 憲法学習@
12月2日 同和問題
12月9日 「憲法9条の国際的評価〜私の経験」 木村公一(牧師)
12月16日 憲法学習A 清田美喜(弁護士)
12月23日 休み

市民と弁護士が行っている憲法学習会「terra cafe kenpou」。
毎週火曜日19時-21時
場所 光円寺門徒会館(福岡市中央区天神3-15-12)
参加無料

※なお急遽会場変更になることもございます。変更の場合は下記サイトでご案内いたします。
http://blog.ohashilo.jp
参加費 無料

※学習会終了後希望者で交流会を行います(交流会参加費2000円。学生1000円、留学生500円)
今後の予定
http://www.ohashilo.jp/pdf/TerraCafeKENPOU.pdf--
posted by 後藤富和 at 18:59| 人権

中学3年まで医療費無料化を!

中学3年まで医療費無料化を!
6万6260筆の署名が集まっています。
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多くの自治体では中学3年まで医療費は無料です。
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自治体によっては18歳まで、さらには22歳の学生まで医療費無料にしているところもあります。

福岡市は本当子どもに厳しい。

http://kodomoiryouhi.seesaa.net
posted by 後藤富和 at 16:31| 人権

障害者を取り巻く状況

市民と弁護士が行っている憲法学習会「terra cafe kenpou」。
今夜は古賀稔章さん(「障がい者援護会でんくる」元代表)と入田幸一さんに【障がい者を取り巻く状況】についてお話しいただきました。
20名参加。
昭和40年代、自分たちが社会に出ていけない、どうしようか。
最初は同好会のような形で集まり始めた。
当時は障害者が車椅子で街に出ていけるという風潮ではなかった。
歩ける脳死麻痺者が多かったが、外に出て行くと嫌がらせを受ける事も多く、自由に街に出ていける雰囲気ではなかった。
自分で身の回りのことができないと施設も受け入れなかった。
施設も養護学校にもいけない脳死麻痺者も多かった。
17歳の時(昭和49年頃)、ハラハラドキドキしながらバスに乗って集まりに参加した。「自分がバスになんか乗って良いんだろうか」と。
1970年(昭和45年)、横浜市で起きた重症児殺しを契機に、それまで社会のあらゆる場で排除、抑圧されていた障害者が立ち上がった。青い芝の会。
当時は、連鎖反応的に、重症児を抱える母子の無理心中事件が相次いでいた。
当時は脳性麻痺者の冤罪事件や、脳性麻痺者の運転免許取得が認められない事件など、司法の場でも脳性麻痺者に不利な戦いが続いていた。
福岡でも、福大や西南、九大などの大学生を中心に運動が盛り上がった。
黙って見ているだけでなく、自分たちの生きる権利を認めさせよう。
重症児を殺さざるを得なかった母親に対する同情(減刑嘆願運動など)は集まるが、殺された子どもの側の視点が乏しかった。
青い芝の会は、殺される子どもの側に立って、母親の会と衝突していった。
自分たちの命は周りで決められるのか。
社会に出たら人様に迷惑をかけるから施設をもっと作ってもらってその中に入れてもらった方がいいんだ。
社会に出ることは非常識なのか?
バスに乗ろうとしたら乗車拒否。
「うちは車椅子で入れる設備じゃないので」といって入店を拒否される。
脳性麻痺者は施設にいるのが当たり前、外に出るなという風潮。
施設のスタッフでさえ「あんたたちに権利なんてあるもんね」と。
自分で服も着れないんだったら施設に入れない。
この衝突が障害者運動発展のきっかけとなった。
嫌だということをちゃんと言っていこう。
何で脳性麻痺だったら生きてちゃいけないの。何で存在否定されなきゃいけないの。
裁判闘争や教育委員会への要請。学校に行きたい。
殺されるのが幸せか。
わらわれに生存権はないのか。
一方的に勝手に決められることを受け入れなきゃいけないのか。
親子心中は他人事じゃない。
食べたい物、着たい物も勝手に決められて、施設のスタッフに気に入られるように過ごし、そんな生活を強いられることへの抵抗。
社会に出て生活することは厳しいし、歯痒いことや辛いこともあるけど、みんなで盛り上がった。
穂波町から天神に行って街頭宣伝をしている中で、大学生や支えてくれる市民と出会った。
命がかかっている運動だったけど、仲間たちに励まされた。
新幹線に乗って大阪にも行ったが、人が多く、みんな急いでいて、こんな中で僕らはやっていけるんだろうかと。
銭湯に入ると、みんな出て行ってしまう。病気がうつると思っているのだろうか。脳性麻痺者お断りという張り紙を出す店もあった。
自分たちの戦いが新聞に取り上げられたが、その見出しは「脳性麻痺者に愛の手を」みたいな戦いの本質とはかけ離れたものだった。
社会が脳性麻痺者を受け入れない中、親たちも悩んでいたと思うが。
当時は行政も司法もマスコミも親にばかり同情的だった。
みんなで始発のバスに乗った。すると、運転手は運転を拒否してバスを出さなかった。
障害者のバスジャックだと叩かれた。客としてちゃんと扱って欲しいだけなのに。
そこで、運輸省に質問を出した。
何で自分たちが否定されなければならないのか学習する中で、優生保護法「不良な子孫の出生を防止」、優生保護法一部改定案「胎児が、重度の精神または身体の障害の原因となる疾病、または欠陥を有している恐れが著しいと認められるもの」の問題(障害者抹殺の思想)にぶつかった。障害者は、この世にあってはならない存在なのか。
自分たちを存在を否定されるのではなく、きちんと存在を認めさせる。
優勢保護という考え方。人に優劣をつけ、人としての存在を認めない考え方。
スロープが付いていても、車椅子が上れないものも多い。形だけ付けてあげているという姿勢。
母体保護法と名を変えたが、羊水チェックによる中絶の現実。
弱肉強食ではなく、適者生存。
ヨーロッパではナチスに対する検証が徹底された。日本はそれがなかった。
優勢思想ではなく、ともに生きるという姿勢。その中で障害者の親も変わってきた。
養護学校を出たら施設に入るのではなく、街に出よう。街中に施設を作ろう。
優勢思想の変革。これは日本の政策全般にいえること。
ハンセン病と同じような断種や脳解剖などが行われていた。
映画「さよならCP」原一男監督
本「母よ!殺すな」横塚晃一著
本「カニは横に歩く」角岡伸彦著
本「関西障害者運動の現代史-大阪青い芝の会を中心に」定藤邦子著
posted by 後藤富和 at 07:39| 人権