2014年04月20日

劉福君物語4

九州二胡演奏祭(5/6アクロス福岡シンフォニーホール)まであと16日となりました。

熊本日日新聞に連載された「春風を奏でるように〜劉福君物語〜」の4回目をご紹介します。

(4)「芸の奥」知りたくて長春へ

昨年末、熊本で公開された「變臉(へんめん)」という中国映画があった。
「変面王」といわれた大道芸人とその老人に買われた女の子の話だが、「あの芸を必死に盗もうとする少女の気持ち、痛いように分かったよ」と劉さんは話す。
いったん芸というものに触れたら、その奥を知りたくなる。「それは子供も大人も変わらない」
父から胡弓の手ほどきを受けた劉さんは小学、中学校と楽団の隊長となった。劉さんは「学校のスター」だった。
音楽学校に進学したかったが、家は貧しかった。炭鉱町の遼源にはそうした学校はなく、長春に出るしかなかった。母が隣の家から五元借りてきて与えた。長春駅に着いたときには寒さと空腹で倒れそうになった。
翌日試験を受けに行ったが、手が凍えて動かない。ストーブにかざして、指を温めたが、試験には失敗した。一人、自分よりうまい少女がいた。それを窓の外から聴き帰ってきた。
地元の高校を出て、炭鉱労働者になったが三ヶ月で辞め、仕立屋になっていた父の仕事を手伝った。仕立屋といっても百貨店の前にミシンを一台置いただけの露店。客が買ってきた布を裁断し、切り口がほころばないように縫うだけ。吹きさらしで、冬は寒かった。「あのころ、ラッパズボンがはやった。日本の映画の影響。高倉健が人気があった。」
客が途絶えると胡弓の練習に家に飛んで帰っていた。「そのことで父と何度もケンカになった。父は楽しみとして胡弓を与えたが、私はこれでもって人生を生きようと思うようになっていた。」
一年半後、遼源市の民間芸術院に団員となったが、長春の吉林芸術学院で学びたいとの夢は捨てきれなかった。雑技団にいた二兄の世話でときどき長春に出かけ、「瑞木先生」という胡弓の名人に見てもらった。「汽車賃がなく、友達の父親である駅員に頼み、石炭輸送の貨車にもぐりこんでいた。」
実技は自信があったが、筆記試験に歴史や数学が出てきて、不合格。二度目に合格した。その間、同学院に進み、「自分はネクラだな」と気づいた。「音楽をやるからには性格が明るくならなければ、と自分を変えようと思った。毎朝ジョギングをし、バスケットをやり、体も鍛えた。友人もいっぱいできた。妻は私を明るい人だといま、言ってくれます。」
http://www.liu-fk.com/profile.html

日本中国友好協会福岡県連合会 創立60周年記念
   九州二胡演奏祭
劉福君二胡教室 定期演奏会
〜みんなで奏でる二胡のハーモニー〜
http://ncf.way-nifty.com/niko/

■日時:2014年5月6日(火・休)
      開場 13:00 / 開演 13:30
■会場:アクロス福岡 シンフォニーホール
      福岡市中央区天神1-1-1  TEL 092-725-9113
■入場料(全席自由): 一般 2,000円  学生・帰国者 1,000円
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■主な演奏曲目 ※都合により曲目を変更する場合がございます。
  胡琴際序曲、島の風、江南春色、リベルタンゴ、涙そうそう、
  陽関三叠、紅梅随想曲 他

■出演: 龔林(指揮者) 王永徳(二胡) 武楽群(二胡)
  沈兵(揚琴) 海童(三線) 劉福君(二胡)
■主催:日中友好協会福岡県連合会 / 劉福君二胡教室

■後援:中華人民共和国駐福岡総領事館、福岡県、福岡県教育委員会、福岡市、福岡市教育委員会、(公財)福岡市文化芸術振興財団、日本二胡振興会、福岡文化連盟、渇ヘ合楽器製作所、福岡日中文化センター
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posted by 後藤富和 at 07:48| 平和