2014年04月18日

劉福君物語3

九州二胡演奏祭(5/6アクロス福岡シンフォニーホール)まであと18日となりました。

熊本日日新聞に連載された「春風を奏でるように〜劉福君物語〜」の3回目をご紹介します。

(3)文化大革命で悔しい思い

中国で文化大革命の嵐(あらし)が吹き始めてたのは一九六六年五月。劉さんはまだ三歳のときで、1十年間続いた。向こうから行列がやってくる。三角帽をかぶらされ、首から札を下げた人たちがうつむきながら、歩かされており、その後ろから紅衛兵たちが大声で叫んでいる。「その三角帽をかぶらされた一人に父がいた。それを人の間から見てしまった」と劉さんは語る。「たぶん、まだ小学校にあがる前だった」。
炭鉱で働いていた父は、職場で糾弾を受け、家に帰れない日が続いた。夜、六歳年上の二兄と弁当を届けにいったら、暗くてせまい部屋に閉じ込められていた。父は「心配するな、お母さんの言うことを守るんだよ」と言った。「父には何も罪もなかった。ただ地主出身ということだけなんです」。「地主の子だ」といじめられた。中国の映画では地主が出てきて、残酷なことをやった。意味もわからず、子供たちは「地主が悪い」「地主の子は悪い」といじめた。
父は子供たちを家に閉じ込めた。出ていけばいじめられ、反抗すれば「劉家の子が悪い」となる。家から出さず、「さあ胡弓を弾こう」と父は言った。「父や兄たちが胡弓を弾き、それにあわせて私が歌う。楽しかった。胡弓を一家でやるような家は近所になかった。」
両親は幼い頃からのいいなずけだった。故郷を出て、吉林省の遼源で雑貨屋をやっていた父親を母親が探し出し、一緒になった。親たちが決めたいいなずけで、顔を合わせたのはそのときが初めてだった。
その母親が建設工事現場に働きに出た。一緒に働いていた女性が高い足場から踏み外し死亡するという事故があった。「現場を見に行って、足が震えた。こんな危険な所で母は働いているのかと。しかし、母は正直で我慢強く、どこに行っても人気があった。」
二人の兄たちが農村へと下放された。「でも、胡弓が上手になると先生が守ってくれるようになった。友達もできるようになった。」
小学校四年のころ、学校の楽団の友達を誘い、二兄を訪ねていったことがある。馬車に乗せてもらったり、テクテク歩いて片道六時間。「あれは僕たちにとって大冒険だった。」と懐かしく思い出す。兄は慰問楽団に属していた。大きななべで煮たトウモロコシを食べさせてくれた。おいしかった。
劉さんは切々と胡弓を奏でる。「あのころの悔しい思い、父や母の悲嘆、それらを思い浮かべると胡弓が震え、泣き出す。それを聴いて、皆さんもまた涙を浮かべます」
http://www.liu-fk.com/profile.html

日本中国友好協会福岡県連合会 創立60周年記念
   九州二胡演奏祭
劉福君二胡教室 定期演奏会
〜みんなで奏でる二胡のハーモニー〜
http://ncf.way-nifty.com/niko/

■日時:2014年5月6日(火・休)
      開場 13:00 / 開演 13:30
■会場:アクロス福岡 シンフォニーホール
      福岡市中央区天神1-1-1  TEL 092-725-9113
■入場料(全席自由): 一般 2,000円  学生・帰国者 1,000円
大橋法律事務所でチケットを取り扱っています。
お買い求め、お問い合わせは大橋法律事務所(担当後藤)まで。
電話 092-512-1636
FAX 092-512-1637
Eメール gotou@ohashilo.jp
お問い合わせフォーム
http://www.ohashilo.jp/mail.html

■主な演奏曲目 ※都合により曲目を変更する場合がございます。
  胡琴際序曲、島の風、江南春色、リベルタンゴ、涙そうそう、
  陽関三叠、紅梅随想曲 他

■出演: 龔林(指揮者) 王永徳(二胡) 武楽群(二胡)
  沈兵(揚琴) 海童(三線) 劉福君(二胡)
■主催:日中友好協会福岡県連合会 / 劉福君二胡教室

■後援:中華人民共和国駐福岡総領事館、福岡県、福岡県教育委員会、福岡市、福岡市教育委員会、(公財)福岡市文化芸術振興財団、日本二胡振興会、福岡文化連盟、渇ヘ合楽器製作所、福岡日中文化センター
■お問い合わせ: 大橋法律事務所(担当後藤)
電話 092-512-1636
FAX 092-512-1637
Eメール gotou@ohashilo.jp
お問い合わせフォーム
http://www.ohashilo.jp/mail.html
posted by 後藤富和 at 21:50| 平和