九州二胡演奏祭(5/6アクロス福岡シンフォニーホール)まであと21日となりました。
熊本日日新聞に連載された「春風を奏でるように〜劉福君物語〜」の2回目をご紹介します。
(2)懐かしい親戚のような
劉さんと付き合うようになったころ、「明るい人だな」と智子さんは思った。「なんとなく中国人は暗いというイメージを持っていたんです」。明るくて、前向き。話をしていても中国人だと意識しなかったという。年も八歳上。「大人なんです。けんかにならない」と笑う。劉さんは熊本市上通りのビルの一室で胡弓を教えていた。その向かいにあるギター教室に智子さんは通っていた。ギターのレッスンが終わると、劉さんの教室に顔を出した。
ある日、NHKテレビでやっていた「大地の子」が話題になった。「泣いたよ。かわいそうだよ。彼に比べると、僕は幸せな方だよ」と劉さんは智子さんにもらした。「中国の文化革命のとき、福君はずいぶん辛い目にあったらしいですね。」しかし智子さんは自分からあまり夫の昔のことは聞かない。「いまが一番大切であり、そして将来が。過去よりも未来」劉さんの故郷もまだ訪れていない。新婚旅行は北海道だった。そしてハネムーンベビーを賜った。いま、育児休暇だが、ほどなく職場に復帰する。智子さんは熊本市内の病院に勤めている。
二人が知り合って劉さんが智子さんの家に遊びに来るようになった。母親の和子さん(54)は大歓迎だった。面白くなかったのは父親の幸二さん(56)。県庁出入りの洋服屋さんで、「娘の結婚相手は公務員に限る」と決めていた。三人が楽しげに話しているのを背中で黙って聞いていた。智子さんの兄も賛成に回った。もはや一人、反対を続けるわけにはいかない。「じゃ、劉君のご両親に会って来よう。一緒に旅をしたら、彼の性格もつかめるだろう」帰ってきた幸二さんは、親指と人さし指で「合格」とマルを作ってみせた。「友達が素晴らしい。あんなにいい友達を持っているということは彼もまたいいということだ。」幸二さんは劉さんの実家を訪ね、一族と会った。劉さんの両親は息子を宜しく頼みます」と強く手を握った。懐かしい親戚に会ったような気がした。幸二さんはゴルフのし過ぎで肩を痛めていた。それを知った友達が中国バリの専門家である友人を連れてきた。ホテルにも泊まり、ついには一緒に旅して回った。その年の十月、加藤神社で晴れて式を挙げた。しかし四月には婚姻届を出していた。劉さんのビザが切れそうになっていたためだ。このことを知らなかったのは幸二さんだけだった。
http://www.liu-fk.com/profile.html
日本中国友好協会福岡県連合会 創立60周年記念
九州二胡演奏祭
劉福君二胡教室 定期演奏会
〜みんなで奏でる二胡のハーモニー〜
http://ncf.way-nifty.com/niko/
■日時:2014年5月6日(火・休)
開場 13:00 / 開演 13:30
■会場:アクロス福岡 シンフォニーホール
福岡市中央区天神1-1-1 TEL 092-725-9113
■入場料(全席自由): 一般 2,000円 学生・帰国者 1,000円
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■主な演奏曲目 ※都合により曲目を変更する場合がございます。
胡琴際序曲、島の風、江南春色、リベルタンゴ、涙そうそう、
陽関三叠、紅梅随想曲 他
■出演: 龔林(指揮者) 王永徳(二胡) 武楽群(二胡)
沈兵(揚琴) 海童(三線) 劉福君(二胡)
■主催:日中友好協会福岡県連合会 / 劉福君二胡教室
■後援:中華人民共和国駐福岡総領事館、福岡県、福岡県教育委員会、福岡市、福岡市教育委員会、(公財)福岡市文化芸術振興財団、日本二胡振興会、福岡文化連盟、渇ヘ合楽器製作所、福岡日中文化センター
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