2013年12月24日

【漁民・市民ネット】開門確定判決の不履行に対する抗議声明

【漁民・市民ネット】開門確定判決の不履行に対する抗議声明

 諫早湾潮受け堤防排水門の常時開放を求めた福岡高裁確定判決の履行期限を過ぎ、国が確定判決を履行しないという憲政史上例がない異常事態が現実となってしまった。法秩序を無視した国の傲慢な姿勢に対して、ここに強く抗議する。
 判決確定からの3年間、農水省は、長崎県などの理解が得られないことを口実に開門準備をサボタージュする一方、開門差し止め訴訟において、開門に反対する原告弁護団や長崎地裁と「出来レース」を演じ、福岡高裁の判決とは相反する仮処分の決定が下されるように画策してきた。そして今、「二つの法的義務」に板挟みとなり苦悩しているフリをしながら、着々と開門断念へと進もうとしている。本来、国は、開門差し止めの訴訟に対しては、法秩序を守る立場からこれを門前払いにすることを主張して争うべきであったが、あろうことか確定判決が認めた漁業被害をも認めないという不遜な態度で、開門差し止めに協力してきた。
 開門によって被害が出るという主張は、長年にわたる開門訴訟を通じて議論を戦わせてきたものであり、対策を施すことで農業と漁業は共存できるという結論で争いに終止符を打ったはずである。この結論は司法の場で決着したものであり、これを覆そうという長崎県などの脱法的言動は、民主主義に対する挑戦である。これを許した長崎地裁の決定も言語道断だが、何よりも今日の混乱の一番の責任は農水省にある。差し止め仮処分においても、国のサボタージュが決定理由になっているに過ぎず、開門を求めた確定判決とは何ら矛盾しない。要は、国が開門の準備を直ちに始めることである。長崎県の理解が法的義務に優先するなどということが罷り通るなら、民主主義社会は成り立たない。
 有明海は、本当に瀕死の状態にあり、特に漁船漁業は生活が成り立たないほどに疲弊している。タイラギをはじめとする魚種が絶滅の危機にあり、生活苦による自殺者も後を絶たず、有明海再生には不可欠である諫早湾の開門は一刻の猶予も許されない。長崎県などが主張する「開門に伴う被害」は対策で克服することができる一方、有明海で今起こっている被害は諫早湾の開門なしには解消することができないのである。問題の解決を困難にしているのは、今日の混乱をもたらしたことへの反省と謝罪をしない国の不誠実な態度にある。内閣全体の責任として、確定判決を履行できなかったことを謝罪し、開門を一日も早く実現することを強く要求する。

2013年12月24日

有明海漁民・市民ネットワーク

posted by 後藤富和 at 15:24| 有明海