2013年12月24日

【声明】間接強制の申立について

【声明】間接強制の申立について

2013年12月24日
よみがえれ!有明訴訟弁護団

 本日,福岡高裁開門判決に基づき佐賀地裁に間接強制を申し立てた。
 同判決は,3年の猶予期間内に準備工事を行った上で,5年間の潮受堤防南北排水門開放を命じるものであった。この5年間のうちに,いわゆる開門調査が実施されることを前提としている。本年12月20日をもって,猶予期間が経過したが,同判決の開門義務は履行されないままである。
 すでに1997年4月の潮受堤防締切り以来,16年以上の月日が経過した。この間,有明海漁民は,不漁に苦しみ続けてきた。多くの漁民が,生業としてきた漁業をあきらめ,その結果,漁協の組合員数は激減し,漁業によって支えられてきた地域社会は疲弊した。多額の借金に苦しみながらみずから命を絶った漁民も少なくない。開門と開門調査は有明海漁民の悲願であり,福岡高裁開門判決は,有明海漁民にとって,かけがえのない希望の光である。国は,長期にわたって有明海異変の主犯である干拓事業を不問に付したエセ再生事業によって批判をかわそうとしてきたが,干拓事業を不問に付したままの場当たり的エセ再生事業に有明海再生の未来がないことは,現に継続する有明海漁業の深刻な実態が雄弁に物語っている。開門と関門調査なくして,真の有明海再生・宝の海復活はありえない。
 しかるに国は,判決主文には従うが,主文の根拠となった裁判所の判断には従わないなどという不遜な態度に終始し,判決が指摘した潮受堤防締切りによる漁業被害の発生を否定し続けてきた。わたしたちが農・魚・防災共存の開門を粘り強く訴えてきたにもかかわらず,地元長崎の反対を口実に開門事前工事をサボタージュし続けてきた。最近では,いわゆる開門阻止仮処分を根拠に開門義務の不履行そのものを正当化しようとしている。開門阻止仮処分が福岡高裁開門確定判決と矛盾するものではないことは,わたしたちがつとに指摘してきたとおりである。国の無策とサボタージュは意図的と言っても過言ではない。
 国が確定判決を守らないなどという三権分立と法治国家の原則を否定し去る憲政史上前代未聞の事態は,有明海のみならず,この国の民主主義の将来そのものを危うくするものであり,到底,看過できるものではない。
 以上の次第で,本日,わたしたちは間接強制の申立を行った。
 間接強制によって国が支払う金員については,漁民とも協議の上,有明海を再生し,宝の海を取り戻すための調査・研究・運動の基金として管理する所存である。
posted by 後藤富和 at 14:46| 有明海