2013年12月24日

【ラムネット、環境法律家連盟】諫早干拓・開門の不履行に対して強く抗議する

諫早干拓・開門の不履行に対して強く抗議する

我々は、内閣総理大臣および農林水産大臣が、福岡高裁の確定判決を遵守せず、国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の常時開放(開門)を12月20日の期限が過ぎたにもかかわらず実行しないことに対して、強く抗議する。
確定判決を国が守らないことは法秩序の崩壊であり、法治国家として前代未聞の異常事態である。民主主義国において、あってはならないことである。
我々は、国が確定判決に従って早急に開門の道筋をつくり、実際に開門を行って有明海の潮流・潮汐をとりもどし、自然環境の再生と漁業資源の回復、漁業者の生活再建、干拓地農業との共存を実現することを、強く要求する。

福岡高裁の確定判決は、多くの漁民の証言や科学者の研究結果にもとづいて、諫早湾干拓事業と有明海漁業被害の因果関係を認め、被害回復のために3年間の準備期間と5年間の水門の常時開放(開門)を命じたものである。
しかし、農水省は、3年の間に利害関係者の合意を得ることができず、開門準備工事も一切行わないという状況であった。これは、開門を阻みたいという農水省のサボタージュであり、確定判決に不誠実な対応をとり続けた結果であり、その責任は極めて重大である。
一方、長崎県知事は、県知事として県民の利害関係の調整をまったく行わず、開門阻止のみを強調して農水大臣や佐賀県知事との話し合いも拒否するなど、確定判決をないがしろにする態度をとり続けており、これでは知事の職責を果たすことは不可能である。
総理大臣および農水大臣は、国会では「確定判決を遵守する」と答弁しながら、農水官僚および長崎県という行政機関の「確定判決を遵守しない脱法行為」に対して、何ら対応せず、責任も取っていない。これでは、司法、立法、行政という国の根幹が崩壊しつつあると言わざるを得ない。
長崎地裁の開門を認めないという仮処分は、農水省が漁業被害を認めず、開門準備工事をサボタージュしたことが原因であり、準備工事により湛水被害の防止や農業用水の確保ができれば、仮処分問題は解決するはずである。
我々は、国が確定判決を遵守し、利害関係者の合意を得て早急に道筋をつけ、水門の常時開放(開門)を実行し、自然環境の再生と漁業資源の回復、漁業者の生活再建、干拓地農業との共存を実現することを、強く要求する。

2013年12月24日

NPO法人 ラムサール・ネットワーク日本
日本環境法律家連盟
posted by 後藤富和 at 13:05| 有明海