2013年10月03日

日弁連人権大会

広島の平和祈念公園で開催された日弁連第56回人権擁護大会」シンポジウム(第1分科会)「放射能による人権侵害の根絶をめざして〜ヒロシマから考える、福島原発事故と被害の完全救済、そして脱原発へ〜」に参加しました。12時から19時までの7時間にも及ぶ長時間のシンポ。1000人近くが参加していました。

第1部「福島被害を考える」
日弁連の実行委員によるチェルノブイリ現地調査報告、福島在住の弁護士による訴え。子ども達の未来のためにとの福島の弁護士の涙ながらの訴えは胸を打ちました。
福島原発告訴団団長の武藤類子さんの発言
森の中で里山喫茶きららを営み自給自足に近い豊かな生活をしていた生活は、福島第一原発事故後、ガラリと変わり、これまで食べていた山菜などからセシウムが検出、薪からも検出され薪による暖房や調理ができず、里山喫茶きららは今年閉店。
原発告訴団では東電幹部や安全保安院や経産省、文科省の人たち、東電を刑事告訴した。しかし9月に全員不起訴。
人の被曝がないとなりたたない原発というシステムは人間の尊厳を踏みにじるもの。人間の尊厳を取り戻すためには泣き寝入りしてはいけない。
大阪市立大学教授の除本理史さん講演「事故被害の回復と賠償・補償のあり方」
かけがえのない「ふるさと」の喪失
事故後に回復困難な「絶対的損失」は、本来、未然に防止しなければならない。
国の帰還政策:避難者のニーズとのミスマッチ
早期帰還への一元化は問題がある。
福島の復興は数世代にわたって長期になる。避難者が福島との繋がりを持てるように、二重住民票を認めるなどの政策も必要。
被害の回復には賠償を超える政策的解決が必要。
避難者の精神的損害
・避難生活そのものによる精神的苦痛
・先行きの不透明さによる不安感
・「ふるさとを失った」という喪失感
「ふるさとの喪失」=戻りたいけど戻れない。地域固有の要素から空間的に切り離された。

第2部パネルディスカッション「放射線被ばくとその対策」
パネリスト:津田敏秀(岡山大学大学院環境生命科学研究科教授)、今中哲二(京都大学原子炉実験所助教)、西尾正道(北海道がんセンター名誉院長)、足立修一(広島弁護士会)
低線量被曝のリスクについて
甲状腺がんの多発は内部被ばくによるもの。
閾値はない。
100msv以下は健康に影響がないなどとんでもないこと。

第3部「脱原発を考える」
田中誠二(サイエンスライター、元国会事故調査委員会委員)の講演「地震による福島第一原発1号機の損傷の可能性」
今回の事故は津波ではなく地震による可能性もある。
東電は嘘をついて事故調を原発の中に入れなかった。
後藤政志(NPO法人APAST理事長)の講演「何故事故は安全と言えないのかー過酷事故対策は安全対策ではないー」
新規制基準で安全が保てるわけじゃない。
我々は集団でロシアンルーレットをしているようなもの。
菅直人元首相も来場。福島第一原発事故当時のこと、首相に正確な情報が伝わっていなかったこと、ヘリで現地に飛んだこと、東電本社に乗り込んだこと、浜岡原発に対して停止を要請したこと、停止した原発の再稼働を認めなかったことなど生々しく話しました。そして、最後に「原発の事故をなくすることは不可能だが、ある意味簡単。それは原発をなくせばいい。これは技術的な問題ではなく、国民がどう考えるか、それを政治がどう受け止めるかが大事。」と訴えていきました。

社民党の福島瑞穂さんが聴衆としてシンポジウムをずっと聴いていて、弁護士会とともに脱原発に向かって頑張りますと発言しました。
posted by 後藤富和 at 19:37| 環境