2013年08月02日

大人がやるべきことは改憲に反対の声をあげること

麻生氏の「ナチスに学べ」発言は、撤回して済むという問題ではありません。
友人である佐賀の甲木弁護士が指摘していましたが、いくら麻生氏がその場の発言を撤回しようとも、自民党憲法改正草案自体が、明確にナチス時代を目標にしています。麻生氏の発言を撤回するというのであれば、そもそも自民党憲法改正草案を引っ込めるべきです。
麻生氏が発言を撤回したのは単にアメリカからの圧力です。安倍首相や麻生氏らはアメリカから批判されたらシュンとするけど、日本国内やアジアの国々からの批判には知らんぷりをします。
慰安婦発言を謝罪したのもアメリカの議会に対してであって、慰安婦被害者には謝罪しません。謝る相手が違います。

自民党憲法改正草案を少しでも読んでみると分かります。
自衛隊は「国防軍」になりますが、国防軍の役割を北朝鮮や中国の脅威から国民を守るなんてお気楽なことを考えている方は、ちゃんと自民党憲法改正草案を読んでください。
https://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-109.pdf
国防軍の目的は「国際的に協調して行われる活動」を行うこと。そして、国防軍は、国民と協力して資源を確保しなければなりません。
素直に読んでください。つまり、国防軍は、軍事同盟を結んでいるアメリカと一緒になって、中央アジアやアフリカの小国に攻め入って石油やレアメタルなどの資源を奪うのが主要な役割です。そして、国民はそれに協力しなければなりませんので、私達の子ども達が中央アジアやアフリカで人殺しをしなければならなくなります。
それを拒否すれば死刑または懲役300年です(石破氏談)。
また、国防軍は「公の秩序を維持するための活動」も行います。つまり、国防軍の銃口は戦争に反対する国民にも向けられるということです。
そして自民党憲法改正草案のもとでは「公益及び公の秩序を害する」表現は禁止されるので、戦争反対を訴えることすらできなくなります。
そうやって、平和を求めたり、脱原発の声を「公益に反する」として禁止し、それに反したものを非国民として処罰します。
67年間、平和を享受してきた大人たちが、こんな暗黒の社会に子ども達を押し込めようとしています。
北朝鮮が攻めてきたらどうすると勇ましいことを言う大人も多いですが、そういう人たちが戦場に行くことはありません。戦場で人殺しを強いられるのは、今、小学生や幼稚園の子ども達です。
勇ましいことを言う大人は大っ嫌いです。彼らは子ども達が犠牲になってものうのうと生き続け、戦後は掌を返したように戦勝国に尻尾を振る。ついこないだまで「鬼畜米英」と叫んで子ども達を戦場に送った大人達は、戦争に負けても死を選ぶことはなく、鬼畜であった米英に尻尾を振って再び権力を握った。こんな大人は大っ嫌い。本当の勇気は、今、子どもを守るために戦うこと。今、憲法改正反対の声をあげること。
昨日の朝日新聞「天声人語」は、僕からすると随分と麻生氏に対して気を使った言い回しをしており生ぬるいと感じますが、以下に引用します。

朝日新聞「天声人語」(8月1日)
ぎょっとした。麻生副総理が7月29日、ある会で改憲に触れて、こう述べたという。「気づいたら、ワイマール憲法がナチス憲法に変わっていた。誰も気づかないで変わった。あの手口に学んだらどうか」。同僚記者の取材と麻生事務所に確認した結果をあわせ、以下紹介する▼麻生氏はまずナチスがどうやって独裁権力を獲得したかを語った。それは先進的なワイマール憲法の下でドイツ国民が選択したことだ、と。いかに憲法がよくても、そうしたことは起こるのだ、と▼次に、日本の改憲は騒々しいなかで決めてほしくないと強調した。それから冒頭の言葉を口にした。素直に聞けば、粛々と民主主義を破壊したナチスのやり方を見習え、ということになってしまう▼氏は「民主主義を否定するつもりはまったくない」と続けた。としても、憲法はいつの間にか変わっているくらいがいいという見解にうなずくことは到底できない▼ヒトラー政権は当時の議会の機能不全に乗じて躍り出た。対抗勢力を弾圧し、全権委任法とも授権法とも呼ばれる法律を作って、やりたい放題を可能にした。麻生氏の言うナチス憲法とはこの法のことか。そして戦争、ユダヤ人大虐殺へと至る▼巨大な罪を犯した権力集団を、ここで引き合いに出す発想が理解できない。熱狂の中での改憲は危うい、冷静で落ち着いた議論をすべきだという考えなら、わかる。なぜこれほど不穏当な表現を、あえてしなければならないのか。言葉の軽さに驚く。

朝日新聞の社説「麻生氏の発言ー立憲主義への無理解だ」
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
posted by 後藤富和 at 21:43| 平和