2012年04月11日

生物多様性オフセット

環境省総合環境政策局環境影響評価課の方から、生物多様性オフセットについてレクチャーを受けました。

生物多様性オフセットの考えは、新しい考え方で環境省でも定義も定まっていないような状態。

基本的な考えとしては、環境を破壊する開発が行われようとする場合、いきなり代償措置(ミティゲーション)を取るのではなく、回避、低減を尽くして、それでもなお影響を避けられない場合に代償措置の検討を行うべきです。
この代償措置のひとつの手法として最近注目されているのが生物多様性オフセットです。
アメリカのミティゲーション・バンキングの制度が先進的で、また、先日訪問したオーストラリアのバイオ・バンキング、ブッシュ・ブローカーの制度も先進例です。オーストラリアではハビタットスコア(生息地によって生物多様性の価値の点数付け)もされている。EUはEU指令で命じられており、特にドイツで先進的な取り組みがなされており、オーストラリアのハビタットスコアのようにビオトープ値によって生物多様性の価値の点数付けがされていたり、再生に25年以上かかる場合は相殺不可能としています。
代償措置の定量的評価手法(ノー・ネット・ロス、ネット・ゲイン)。ドイツでは定性的評価が重視されつつある。
各国とも、基本的には、イン・カインド(同種)、オン・サイト(区域内・隣接)。
韓国では、生態系保全協力金。
イギリスでは民間企業が動き出している(The Environment Bank,Ltd)。

代償措置のモニタリング。代償措置の取り組みが成功しているかの事後調査。法的にモニタリングが義務付けられている国も多くあります。予算・人員不足でやりっぱなしの代償措置になっている例もあります。

雑感
・日本では、事業実施段階でアセスをしているので、回避、最小化ができていない。
・日本では、アセス後、開発に着手されたあとに新種が発見されるなど、そもそもの環境評価が杜撰。
・日本では開発の回避、最小化が検討されることなく形だけの代償措置(例えば移植など)を施せば開発OKとなることが問題。
・日本で生物多様性バンキングを導入するには、まずは環境影響評価(アセス)が適切になされることが大前提。そのためには、もとあった生物多様性の価値をきちんと評価されていることが必要。
・里山など2次的自然に対する開発などに対してはバンキング制度は有効な手法になりうるのではないか。宅地購入者に自然破壊のコストを負担させる。
posted by 後藤富和 at 08:36| 環境