4月3日に行った、原発なくそう!九州玄海訴訟原告団・弁護団と九州電力との交渉について、稲村蓉子弁護士から報告がありました。
春の嵐が吹き荒れた4月3日、弁護団・原告団は、九電本社において、先に突きつけていた公開質問状に対する回答を求めるとともに、不誠実な九電の姿勢を糾弾すべく、約1時間半にわたって交渉を行って参りましたのでご報告いたします。
なお、弁護団・原告団が九電に対して突きつけていた公開質問状の内容は以下に掲載したとおりです。
http://no-genpatsu.main.jp/news/index.php/entry?page=2
九電側の参加者は6名で、いずれも課長クラスの方でした。
弁護団・原告団は、前回の交渉のときから責任を持って発言できる取締役の出席を求めていたにもかかわらず、九電は今回も取締役の出席には応じませんでした。
《質疑応答》
■立地自治体以外の自治体との安全協定締結について
Q.玄海原発において福島第一レベルの事故が起きた場合、どの範囲の自治体に放射性物質による汚染の影響が生じると考えているか。
A.(九電)風向き等の条件によるので一概に言えない。
九電は被害想定のシミュレーションをやっていない。正確にはシミュレーションをやったことがあるかどうかを調査してみないとわからないが。自治体等がシミュレーションをしているかどうかも知らないし、そのような自治体があるかどうか調査もしていない。事故が起きたときにはSPEEDIをもとに国から指示が出るはずであり、国が用意する対策にしたがう。
Q.3・11事故後、九電はどのような対応をしているのか。
協定を広げるとか、その前提としての調査などをすべきではないのか。
A.(九電)原子力事業者としては事故が起きないように対策をとるのが
一番だと思っており、事故が起きる可能性を減らすよう努力している。
Q.それは電力会社として当たり前。想定外のことが起きたとき、もし放射性物質が漏れたときにどう対応するのか。
A.(九電)シミュレーションの有無などについて確認はしていない。
Q.それならば安全協定締結をする自治体とそうでない自治体の線引きは
どのように行っているのか。
A.(九電)放射性物質の拡散範囲と協定の協議を行っている自治体とは
リンクしているわけではない。
協定締結については自治体側から要望があれば対応する。
佐賀県、玄海町以外の自治体とも事前了解権を含んだ安全協定を締結するかどうかはわからない。要望があれば丁寧に対応させていただくとしか言えない。
Q.結局、住民が言ってこないと会社としては何もしないということか。
A.(九電)・・・・・。
Q.自治体と安全協定を掘 k$Vその理由は他の自治体にも同様に妥当するのではないか。
A.(九電)・・・・。次回に回答する。
Q.再稼働に関して、玄海町、佐賀県との事前同意はどうなっているのか。
A.(九電)今のところ予定などはない。
■住民に対する説明について
Q.九電としての取り組みは。
A.(九電)原子力発電の安全性、再稼働に向けて、住民の理解を得られるような活動を行っていくつもり。
Q.説明会・議論の機会を設けることは考えているか。
A.(九電)個別に依頼をもらえば説明している。
お互いそれぞれが考えていることや取り組み等を、こういった場で説明するのは極めて重要とは思っている。
Q.九電の側から積極的に住民に説明することはしないのか。
A.(九電)こちらから説明するのが望ましいが、情報発信には限界があり、受け身の状態になっていると思う。
■福島事故の原因究明と再稼働などについて
Q.事故の原因が明らかになっていない段階で再稼働をする予定があるのか。
A.(九電)その時々で対応している。
現時点では最終報告は出ていないが、国から指示を受けて対応策は行っている。
ストレステストの評価結果に基づいて再稼働しようと考えている。
事故調の最終報告が出る前に再稼働する可能性もある。
Q.事故時のシミュレーションをしないままに再稼働しようとしているのか。
A.(九電)・・・・。次回に回答する。
Q.これまで支社に対しては申し入れができなかったので改善してもらいたい。
A.(九電)真摯に対応するようにします。
Q.玄海原発1号炉の廃炉について
A.(九電)今すぐ廃炉とは考えていない。できれば運転させてもらいたい。
Q.再稼働により発生する使用済み核燃料の保管・処分地の問題はどう考えている
か。
A.(九電)使用済み燃料のことは再稼働とは別だと考えている。
《交渉を終えて》
最初の質問である、玄海原発が事故を起こした場合想定される被害の
予測・把握とそのためのシミュレーションの実施の有無について、九電側は、シミュレーションはやっておらず、想定される被害の把握もしていない、と悪びれもせず言い放ちました。
のっけから九電が見せた、原発を運転する者としての責任などまったく感じていないかのようなこの姿勢に対し、参加者からは「えぇ〜っ」と
いう唖然とした声や、あきれてもはや笑うしかないと言った感じの失笑が一斉に起こりました。
また、使用済み核燃料の問題と原発運転の問題は関係ないという九電の回答に対しては、参加者から「関係ないはずはないでしょう!!」といった厳しい糾弾の声があがりました。
今回の交渉で九電は、責任を持って回答できる者を交渉の場に出すことを徹底的に避け続け、質疑応答においてもはぐらかした様な回答に終始するなど一貫して不誠実な姿勢を取り続けました。
これらのことから、九州電力という会社は、原発の危険性や住民の不安などの懸案事項をうやむやにしたまま今を必死にやり過ごし、国や原子力安全・保安院、原子力安全委員会から再稼働のGo!サインをもらうのをひたすら待っているのではないか、という印象を強く受けました。
この様に、福島第一の事故から何も学ぼうとせず、反省すらするつもりのない国や九電に対しては、私たちが大きな声をあげ、その姿勢の間違いを糾弾し正していくしかありません。
今後も九電との交渉は継続していきますので、皆様、ぜひその動向にご注目ください。
そして、脱原発!の大きな声を国や九電、裁判所に届けていくため、次回の交渉へのご臨席をはじめ、各地で開催される集会・イベントへの参加、「原発なくそう!九州玄海訴訟」の原告団や支える会の拡大へのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

