2012年02月10日

ピューリツァー賞

「ピューリツァー賞受賞写真全記録」(ハル・ビュエル著 )を購入しました。

ご存知、アメリカで最も権威ある賞のひとつであるピューリツァー賞の、写真部門創設(1942年)から2011年までの全ての受賞作品を収録したものです。

あまりの迫力に、中洲川端から地下鉄で天神に向かおうとして、反対の路線に乗ってしまい祇園まで行ってしまったほどです。

発行はナショナルジオグラフィックです。以下のナショジオのサイトでいくつかの特徴的な写真を見ることができます。
http://nationalgeographic.jp/nng/sp/pulitzer/#anc2

とりわけ、「爆撃からの逃走」は胸に迫ります。
かつてソ連参戦後、満州から逃げてきた日本人たちもきっとこうだったんでしょうね。母親の必死の形相としっかりと母に掴まっている赤ちゃん、泣きながらも必死に川を渡る少女。この1枚に子どもを守ろうとする母の最後の力が凝縮されています。
撮影は、沢田教一氏です。

「ハゲワシと少女」
餓死寸前の少女をハゲワシが狙っているあの写真です。
写真を撮る前に少女を助けろとの誤解に満ちた中傷などもあって撮影者はその後自殺してしまいます。

これまで日本人の受賞は、沢田教一氏の他に、長尾靖氏(「舞台上での暗殺」)、酒井淑夫氏(「静かな雨、静かな時」)の3名です。

受賞作を見ていて、面白いことに気付きました。
35ミリフィルムが主流になってからは受賞作を撮影したカメラは圧倒的に「ニコン」です。特に戦場写真はほとんどが「ニコン」です。「ニコン」独占と言っても良いくらいです。
しかし、デジタルカメラになってからは、「ニコン」よりも「キャノン」で撮影された作品の方が多くなっています。

事務所の書棚においておりますので、興味のある方はお手にとってご覧下さい。
posted by 後藤富和 at 06:59| 日記