よみがえれ!有明訴訟は、佐賀地裁で提起した本体訴訟は昨年12月福岡高裁の開門判決の確定によって国の開門義務が確定した。それと並行して、小長井(長崎県)、大浦(佐賀県)の漁業者が国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防排水門の即時開門を求めた訴訟(小長井・大浦漁業再生事件)の控訴審第1回口頭弁論が12月5日、福岡高裁(広田民生裁判長)で開かれた。
1審原告側は、原告の漁業者松永秀則氏、弁護団長の馬奈木昭雄弁護士が意見陳述した。松永氏は「有明海は今もますます壊れ続けている。決して金が欲しいわけではない。ただ、元の宝の海を取り戻したい。一刻も早く開門を」と訴えた。
諫早湾干拓事業が漁業被害を引き起こしたとして漁業者らが排水門の開門等を求めた一連の訴訟のうち、有明訴訟(1審・佐賀地裁)では、国に排水門の常時開放を命じた福岡高裁判決(2010年12月6日言い渡し)が確定。一方、この日控訴審が始まった即時開門訴訟では、1審・長崎地裁は2011年6月27日、同事業による漁業被害を認定し国に損害賠償を命じたが、即時開門を認めなかった。長崎地裁判決を不服として、国・原告双方が控訴していた。即時開門訴訟で原告側は、短期開門調査程度の開門であれば数か月程度の準備で容易に実行できるとしてただちに開門することを求めている。
馬奈木弁護団長は、「確定した福岡高裁判決は国による違法状態の解消、漁業被害発生防止のために『常時開放』を命じた」「1審・長崎地裁判決も漁業被害について国の違法状態が継続していると認定し損害賠償義務があると宣言した」と指摘。国の態度について、開門の準備を遅らせ、深刻な被害を違法状態に放置していると批判。裁判所の役割は違法状態のすみやかな解消にあると求めた。
口頭弁論後開かれた報告集会で、漁業者が今季の養殖ノリ漁の不作、12月18日解禁のタイラギ漁やイイダコ、カニ、エビの状況を告発し、「有明海から漁民がいなくなる」「どんどん悪くなる。一日も早く開門を」と訴えた。
馬奈木昭雄弁護団長 確定した福岡高裁判決が命じた開門とは違法状態を解消するための方法であり、それが「常時開放」だ。官僚の裁量で開門方法を決めるものではない。官僚は福岡高裁判決に従わない無法者の態度を示している。判決どおり開門を実行させるのは主権者国民の力だ。開門の方法を指図できるのは官僚ではなく勝利した原告だ。いったん開門した後で農業者・市民に被害が起きないように状況に応じた開閉の方法がある。専門家を交えてきちんと協議したい。短期開門調査程度の開門はすぐできる。いまや争点は、来年5月の開門か国が検討しているといわれる再来年5月の開門かに絞られた。11月24日の農水大臣との面会で、鹿野大臣は佐賀への現地訪問について「日程の検討も含めて検討する」とのべた。必ずお出でいただけると思っている。そのとき大臣は、知事や組合長の意見だけでなく現場で働いている漁民農民の声を聞くべきであり、違法状態を引き起こしたこと、いまだに違法状態を解消できないことを謝罪すべきだ。私たちとしては、開門反対派との対話集会をしたいとずっといってきたが、不安の源を聞く対話集会、押し売り型ではなく御用聞き集会として開きたい。

