福島第一原発事故以前にドイツの社会学者ウルリッヒ・ベックが朝日新聞の取材に応じた時の言葉が印象に残りました。
「原発事故前 ベックの言葉」(朝日新聞2015.2.3)
(前略)「わかりやすい例を紹介しよう」とベックは言った。原発の放射性廃棄物を安全に保管するには、1万年後の人類にそれが危険物だと伝える方法がなければならない。検討組織が米国で設置され、言語学者や考古学者らが知恵を絞ったが、方法は見つからなかったーと。原子力発電は制御不能のリスクをはらむ、との指摘だった。(中略)
福島第一原発の事故は、その4カ月あまり後に起きた。
今から1万年前というと縄文時代です。
縄文時代の人類の意思を私たちは正確に読み取ることはできません。
1万年後の人類がかつて玄海町と言われていた場所で大きな釜のような遺跡を発掘します。その釜を開けた瞬間、1万年後の人類を広範囲にわたり被曝させ死に至らせることとなります。
私達は1万年後の人類をも殺すよう悪魔の火を再び灯そうとしているのです。
未来永劫、将来世代から蔑まれる世代となるのか、勇気を持った決断をしたと称えられる世代になるのか。今、私たち一人ひとりの決断が試されています。
2015年02月07日
将来世代から蔑まれる世代となるのか
posted by 後藤富和 at 10:50| 環境