2015年02月04日

韓国の社会運動〜市民の力が街を変える

毎週火曜日に市民と弁護士が行っている憲法学習会「terra cafe kenpou」。
昨夜は、terra cafeメンバーの日高明子さんを講師に「韓国の社会運動〜市民の力が街を変える」をテーマに日高さんが実際に韓国を訪問し見聞きし感じたことを報告していただきました。
今回、日高さんが訪問したのは
*ソンミサンマウル
*ソウル市立青少年職業体験センター(ハジャセンター)
*非正規労働者センター
*ソウル市高齢者介護福祉支援センター
*青い夢介護福祉センター
*全国障害者差別撤廃連帯

ソンミサンマウルは、1992年に画一的な幼稚園保育に不満を感じた共働き夫婦25組が、お金を出し合い共同育児施設「私たちの子どもの家」を設立したことがきっかけ。アトピーの子どもの「アイスクリームを食べたい」という思いをかなえる為、共同でアイスクリーム製造器を購入しカフェを作るなど、「こうありたい」を地域ぐるみで実行しています。
ソンミサンする5ヶ条
1.わがまま歓迎
2.けんかワクワク
3.優秀なリーダーはいらない
4.仲間とのリスクは楽しい
5.意見一致をがんばるよりやってみる

ソウル市立青少年職業体験センター(ハジャセンター)は若年層の失業問題と「学校以外に集まれる場を」との市民の声が高まり設立。ソウル市の特化機能施設として、市の補助金を受けて運営しており、管轄はソウル市青少年課ですが、センターのスタッフは市の職員ではありません。センターでは、職員を「パンドル」(舞台を動かす人)と称し、役職は事実上存在せず、親しみやすいニックネームで呼ばれています。

ソウル市高齢者介護福祉支援センターはパク・ウォンスンソウル市長の公約で2013年に業務開始した韓国初のケアワーカー施設。
韓国では、ヘルパー(療養保護者)の有資格者は123万人(男性8.7% 女性91.3%)ですが、実際に就労しているのは25万人にすぎず、平均年齢56歳。ほとんどが非正規雇用労働者。月給80万ウォン以下が7割を占めます(看護師の3分の1、社会福祉士の半分程度)
社会的評価は低く、介護以外の家事労働を強要され(家政婦あつかい)、セクシャルハラスメントなどの被害を受けることもあるそうです。
センターは、「介護する側が幸せでなければ、質の高い介護はできない」として、介護文化の認識改善に取り組んでいます。
全国障害者差別撤廃連帯では「障害等級の廃止」と「扶養制度の廃止」に取り組んでいます。
驚いたのは、障害の程度によって等級でわけているのは、世界の中で日本と韓国だけということ。医師の診断による等級ではなく、当事者個人のニーズに応じた支援計画が立てられるべきだとの考えから障害等級の廃止を求めています。
また、個人の自立を妨げるとして、家族に扶養義務を課す扶養制度の廃止も求めています。

パク・ウォンスンソウル市長を先頭にソウル市が脱原発にシフトしている状況についても報告していただきました。
日本の自治体の首長の多くがエネルギー政策は国が決めることとして自治体の長として国に追従する姿勢でいるのに対し、ソウル市長は、エネルギーの消費地であるソウル市だからこそ、エネルギー政策についても声を上げるべきとして、市長が先頭に立って脱原発運動を行っています。
福岡県も圏内に原発はないから県政の課題ではないと逃げるのではなく、九州最大の電力消費地であり、かつ玄海原発に事故があった場合甚大な被害を被る危険性が極めて高い地域であることから、500万人県民の生命と健康、暮らしを守るために国と九州電力に対して声を上げていくべきだと思います。

大変多くの方にご参加いただきました。部屋に入りきれず隣室での参加となった皆様にはご迷惑をおかけしました。

来週は詩人のアーサー・ビナードさんを講師に「おめでたいニッポンに、春は来るのか?」をテーマに現在の日本の状況を語っていただきます。
来週は会場、および時間が異なりますのでご注意ください。

箱崎まちなか九条の会発会記念アーサー・ビナード氏講演会
「おめでたいニッポンに、春は来るのか?」
講師 アーサー・ビナードさん(詩人)
日時 2月10日(火)18:30
場所 勝楽寺(福岡市東区箱崎3-9-48)
会費 1200円
どうぞお楽しみに。

【これからのterra cafe kennpouの予定】

2月10日(火)18時30分 箱崎まちなか九条の会発会記念アーサー・ビナード氏講演会「おめでたいニッポンに、春は来るのか?」(会場:勝楽寺(東区箱崎3−9−48)、当日1200円)

2月17日(火)19時「15年戦争のはじまりと満州国建国、日本と満州国皇帝溥儀」岩佐英樹(元高校教師)

2月21日(土)13時 やま・かわ・うみ・そらフェスティバルin九州 九州公害被害者総行動実行委員会(会場:天神エルガーラ中ホール、参加費300円)

2月24日 (火)19時 平頂山事件 高尾翠(中国近代史研究者)

3月3日(火)19時 憲法講座4「包括的基本権と法の下の平等」三好有理(弁護士)

3月10日(火)19時 ヘイトクライムを考える

3月17日(火) 憲法講座5「精神的自由権」八木大和(弁護士)

3月22日(日)14時 「満州国」の光と影 熊野直樹(九州大学大学院教授)、緒方用光(元日本ヘラルド九州支社長、元満州映画協会社員) 会場 大名クロスガーデン、 参加費500円

3月24日(火)19時 お休み

3月31日(火)19時「地方創生のカラクリ〜あるべき地方自治とは」 宮下和裕(自治体問題研究所)

4月7日(火)19時 「留学生から見た日本」 留学生

4月14日(火)19時 「破壊される医療と介護」岡崎誠(福岡県歯科保険医協会)

4月21日(火)19時 憲法講座6「経済的自由権、人身の自由、国務請求権と参政権」清田美喜(弁護士)

火曜日夜の学習会の会場は光円寺門徒会館(福岡市中央区天神3丁目)です(2月10日、2月21日、3月22日は別会場です)。
予定は入れ替わるかもしれません。下記サイトでスケジュールをご確認ください。
http://www.ohashilo.jp/pdf/TerraCafeKENPOU.pdf
なお急遽会場変更になることもございます。変更の場合は下記サイトでご案内いたします
http://blog.ohashilo.jp/
参加費 無料
お問い合わせ 弁護士 後藤富和 Eメール gotou@ohashilo.jp
posted by 後藤富和 at 07:41| 人権