2014年12月12日

【有明】勝訴

また勝った!
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【声明】開門義務不履行が三度にわたって断罪されたことを真摯に受け止め,国は,ただちに開門準備に着手すべきである
 本日,佐賀地裁は,開門請求権の前提となる漁業行使権の存否に形式的問題のある例外的な漁民を除き,潮受堤防排水門の開門を命じた福岡高裁確定判決の勝訴漁民に対して強制執行を許さないという判決を求めた国の請求異議の訴えを退けた。
 立法・司法・行政の各権力を分離して権力相互間の抑制・均衡を図り,権力の濫用を防止して国民の権利・自由を保障しようとする三権分立の近代民主主義国家において,国が確定判決に従うのは当然であり,国の確定判決不履行は近代民主主義国家の否定に他ならない。国が確定判決上の義務を履行しないことも,強制執行によってその履行を強制されることも,いずれもこの国の憲政史上初の不祥事であり,今回の判決は,その不祥事に何ら弁解の余地がないことを明らかにした。
 国が開門義務をサボタージュし,昨年12月20日の履行期限が経過するなかで,有明海漁民の漁業被害はますます深刻になっている。今期,ノリ養殖の漁民は調整池の汚染水の排水によってノリ芽が流れてノリが育たないと訴え,カニ漁の漁民は稚カニを放流して成長した頃に網を入れても1匹しかかからないと訴え,アサリ養殖の漁民は養殖漁場のアサリが大量に死んで1割位しか残っていないと訴えている。開門は漁業被害にあえぐ有明海漁民の死活問題として,ますます切実さを増している。調整池で発生する有毒アオコの毒物はいまや調整池外の海域にも蓄積されており,海域環境の安全すら破壊されようとしている。
 国はこの間,開門義務の不履行を合理化しようと,開門を脇に置いて有明海沿岸4県の協議によって有明海再生を図るなどと発表した。しかしながら,開門をタブー視した有明海再生事業は,すでに歴史的に破綻している。有明特措法が施行されて12年,農水省が開門に代わる有明海再生事業の取り組みを発表して10年が経過し,覆砂,作澪,調査研究などの農水省関連事業だけで430億円,これとは別に,調整池の水質保全に推計550億円もの公金が投入されたにもかかわらず,有明海の漁業被害は深刻になる一方である。真の有明海の再生は,開門を中心に据えた再生事業でこそ実現可能であることは,すでに実証済みである。
 福岡高裁確定判決が命じた開門義務の不履行をめぐっては,間接強制の執行抗告の手続のなかで佐賀地裁,福岡高裁が厳しく国を断罪した。それにもかかわらず,国は,相変わらず効果の目処も立たない再生事業や調整池水質保全対策に湯水のように公金を垂れ流すばかりか,間接強制金の支払いという前代未聞の無益な公金支出を継続してきた。そして今日,請求異議訴訟判決によって,またもや開門義務不履行を断罪された。国は今度こそ司法の判断を真摯に受け入れるべきである。
 見通しのない控訴によって訴訟を弄び,更に開門を遅らせ,深刻な漁業被害に目を閉ざし,これ以上の無駄な公金を支出することなど,もはや許されない。
 いまこそ国は,有明海漁民の窮状を直視し,悲痛な訴えに真摯に耳を傾け,直ちに開門に向けた準備に着手すべきである。
2014年12月12日
よみがえれ!有明訴訟弁護団・原告団
posted by 後藤富和 at 11:57| 有明海