2014年10月20日

確定判決を守り、諫早湾の水門開放を求める署名

本日、福岡高裁において、よみがえれ!有明訴訟の開門等請求控訴事件口頭弁論が開かれました。
開門したら漁業被害が出るというのがデマであり、今、日常的に水門が開けられ汚水が有明海に排出されていることで漁業被害が送られていることについて、國嶋洋伸弁護士の弁論を紹介します。

皆様、「確定判決を守り、諫早湾の水門開放を求める署名」にご協力ください。
http://goo.gl/zPndkk

1 はじめに
 ここで主張したいことは、短期開門調査によってアサリの被害が生じたとする補助参加人の主張は明らかな誤りである、ということです。
その根拠は明確で、アサリの斃死は、短期開門調査の行われる4年も前の平成10年ころから、現在に至るまで、ほぼ毎年のように発生し続けているからです。
2 短期開門調査以前も以後もアサリ被害は発生し続けている
平成10年7月には小長井町地先の全域で、さらに平成11年には8月と9月と2度にわたってアサリの斃死が発生しました。
平成12年8月には、多くの養殖場でアサリが全滅するという、かつてないほどの大量斃死が発生し、平成13年7月にも大規模斃死が発生しました。
このように、堤防を締切った翌年の平成10年から短期開門調査の前年の平成13年にかけて、すでに4年連続でアサリの大規模な斃死が発生していました。
一方で、短期開門調査の行われた平成14年と翌平成15年は、アサリ斃死の発生があったものの、ごく一部の区域に限られ、全体として水揚量も大幅に回復しました。
しかしその後、平成16年8月には、小長井地先全体で壊滅的なアサリ斃死が発生するなど、その後も現在に至るまで、ほぼ毎年のように、夏場になるとアサリの斃死が発生し続けています。
すなわち、補助参加人らが「短期開門調査時の被害」とするものは、毎年のように発生し続けている被害のごくわずかな断片にすぎません。通年のデータを見れば、アサリ斃死が短期開門調査時にだけ生じたものでないことは一目瞭然です。それどころか、このデータを見れば、むしろ短期開門調査によって被害が減少した、食い止められた、という解釈以外ありえないはずです。なお、詳細は次回提出予定の書面で述べますが、瑞穂漁協では、短期開門調査の後4年間にもわたってアサリ漁獲量の回復効果があったほどです。
3 安定などしていない最近のアサリの漁獲量
補助参加人らの中には、近年はアサリの漁獲量が安定しているという意見も見受けられますが、以前とは養殖の条件が大きく異なります。
以前の養殖は、5、6月にまだ小さな稚貝を撒いて、それが育った翌年の春に採取するというものでした。しかし近年では、夏場の大量斃死を避けるために、秋から冬にかけてすでに大きくなった貝を撒き、翌年の春にすぐ採取します。それでも、3トンの貝を撒いて、3トン採れるかどうか、という程度です。しかもすでに大きくなった種貝の購入資金は補助事業で賄われており、補助が打ち切られれば採算が合わなくなることは必定で、安定しているというには程遠い現状です。
4 さいごに
調整池内から排出される汚水が、諫早湾内のアサリの斃死に影響するという点は、補助参加人も我々もまったく同意見です。
異なるのは、補助参加人らが、今でも不定期に排出される大量の汚水の被害には目をつぶり、開門の際にだけ被害が生じるかのような主張をしている点です。
今の汚水の排出を続ける限り、夏場のアサリの斃死は免れられません。しかし、本件開門により調整池内の海水交換が進めば、汚水の排出はすぐに止まります。
一審原告も補助参加人も、諫早湾の漁民はみな一様に漁場環境の悪化という同じ被害を受けているのですから、目の前で起きていることをもう一度冷静かつ合理的に見直して欲しいと思います。
諫早湾の漁業被害は「これから」起きるのではなく、「もう既に」そして「現在も」起きているではないですか。多くの漁民が組合を去り、後継者も育っていないことが、何よりの証です。
これまで多額の費用を投じて様々な再生事業が行われてきましたが、どれも十分な改善効果はありませんでした。諫早湾の漁場環境の悪化を止めるために残された方法は開門以外にないことは明らかです。
開門すれば漁業被害が出るという明らかに誤った認識を正し、一日も早く本件開門を実現すべきです。
posted by 後藤富和 at 15:08| 有明海