「女性の貧困〜アベノミクスで女性も男性も輝く日本??」(竹信三恵子ジャーナリスト・和光大学教授)に参加しました。
1 私たちはいま、どんな社会にいるのか
・2013年度ジェンダーギャップ指数(GGI)は105位/136か国)
・単身女性の3人に1人が貧困
・19歳以下の子どもがいるシングルマザーの57%が貧困
2 背景に長時間労働と家事労働蔑視
・長時間労働でないと正社員になれない→長時間労働→正社員からの脱落
・1979年「日本型福祉社会構想」=福祉は家庭で女性が→男性が家族分を稼ぐことが前提の福祉政策
・賃金格差(女性正規雇用の給与所得は男性の7割しかない。賃金総額で見ると女性は男性の3割台しかない)
・男女雇用機会均等法の功罪(長時間労働、非正規、130万円の壁)→正規雇用と非正規雇用の二極化。
・「夫に扶養されているから、家事の片手間仕事だから、安くても不安定でも問題はない」という発想で始まった非正規雇用(低処遇)が、今では企業の都合で男性まで拡大して行き、夫婦で非正規雇用となり、貧困が広がった。つまり女性だけの問題ではないということ。
・子どもいると低賃金
・夫婦で働いても貧困から脱出できない国(トルコに近似。男性の収入に依拠した制度設計。不十分な再分配)
・出産で6割が退職
・再配分で貧困になるのは日本だけ(民主党のこども手当制度は間違いじゃなかった。もっと良いのは、こども手当などの直接給付と保育など福祉の充実のセットで進める)
3 家事や育児労働を無視した「雇用・福祉改革」の危うさ
・「制約社員」と「非制約社員」(介護や子育てなどは会社にとって制約という発想)
4 買い叩かれる家事的労働
・介護・保育の低賃金
・「外国人家政婦」と「研修生」
5 アベノミクスの「女性が輝く」政策の問題点〜家事ハラノミクスの恐れ
・産業構造の転換による働き手の貧困化
・男性の働きだけに依存できる世帯がどれ程あるのか
・アベノミクスの女性政策で起きかねないこと(二重負担の強化+女性の分断)
・「指導的地位の女性」の取り込み政策とそうでない女性の低賃金化=公費を出さずに女性が女性を踏み台にする構図の拡大→女性運動の抑制と低賃金労働者の一段の活用へ
・アベノミクス(理念と根性=国家総動員法、新しい形での国防婦人会)では女性は輝けない
6 女性が生き生きと活躍するために〜男女の経済的自立へ向けた家事の再配分を
・家事労働の行政、企業、男性への公正な再分配の必要性
・最低賃金の引き上げと均等待遇の抱き合わせによる賃金差別の是正