2014年08月23日

日中文化講座

日中文化講座「緊迫する日中関係をどう打開するか-中国の状況と国際関係から読み解く」講師:末浪靖司(ジャーナリスト)に参加しました(博多リバレイン・ココロンセンター)。
http://ncf.way-nifty.com/ken/cat22282701/index.html
1 中国はなぜ艦船を尖閣海域に侵入させ、防空識別圏を設けるのか
中国が尖閣諸島(釣魚島)問題で公務船や海監航空機を出動させる実力行使は誤っている。
話し合いで解決すべき。ただ、安倍政権は話し合いの門戸を閉ざしている。
中国の根拠:「籌海図編」(1561)に「釣魚嶼」の名前が書かれている。カイロ宣言(1943.11.27)
1971.12.30 中国外務省、尖閣領有権を声明。
1972.9.29 周恩来首相「ここで議論するのはやめましょう。」
1978.10.2 ケ小平、尖閣問題棚上げを提案。

2 発展する中国の光と影をどうみるか
急速な経済発展と現局面の特徴
世界第2位の経済大国
アメリカと中国の経済関係は非常に密接。
背景に現体制に対する危機感がある
広がる民衆の運動と情報発信。PX(パラキシレン)反対運動。
民主化の展望はあるか
一進一退だが確実に前進している。

3 中国の大国化は集団的自衛権行使の理由になるか
安倍政権の閣議決定による憲法解釈の変更。
その根拠として安全保障環境の変化(中国の大国化)。
アメリカは尖閣諸島を防衛するか
オバマ・安倍共同会見(2014.4.24)
安倍「尖閣諸島を含め日本の施政権下にある領域は日米安保条約の適用地域」
オバマ「私は問題を平和的に解決することを安倍首相に強調した。我々は中国と強力な関係を持っている。中国は決定的に重要な国だ。中国は貿易、開発で大きな機会を提供しており、気候変動のような共通問題で協力しあっている」
日米安保条約5条1項→アメリカは尖閣諸島への攻撃を自国に対する攻撃とは認めないだろう。アメリカは動かない。
尖閣諸島問題を集団的自衛権の根拠とするのは明確なまやかし。
中国は尖閣諸島問題で軍事行動をすることはないと断言できる。
南シナ海の紛争をどう見るか。
ASEAN(東南アジア諸国連合)はアジアの長い戦争の教訓から生まれた。
ASEANは中国と粘り強く交渉を続けている。
オバマ(中国との領土問題でフィリピンを防衛するかの質問に対し)「中国とは建設的関係を持っている。米中間には巨大な貿易、巨大なビジネスがある。国際舞台で米中が協力する領域は極めて大きい。だから我々は目標は中国とは対峙や封じ込めることではない」(2014.4.28)
今、自衛隊は、ジプチ、南スーダンに派遣されている。いずれも石油を巡る地域。
「駆けつけ警護」これが集団的自衛権。
1931年、日本は柳条湖事件をでっち上げ、自衛の名目で満州事変。盧溝橋事件もでっち上げ中国全土に戦火を拡大。南仏進駐も自衛権の行使と主張。
自衛権の名目で日本の軍隊(自衛隊)が海外に出ることは、アジア諸国は非常な恐怖を感じている。

4 一衣帯水の中国とどう向き合うか
中国の民衆がアヘン戦争以来列強に踏みにじられ、1931年からは日本に侵略され、犠牲になって来たことを忘れてはならない。戦後補償問題、慰安婦問題などの解決をはかる。
さしあたって緊急に求められていること
安倍政権の9条改悪、とりわけ集団的自衛権行使の策動を阻止すること。
日米軍事同盟下でアメリカの肩代わりをして海外派兵の道をすすむのをやめること。
平和のメッセージをいかに伝えるか。
中国の民衆との交流などを通じてお互いの理解を深める。

【質疑応答】
Q 米中の二大大国が蜜月状態にある中で、東アジアのパワーバランスは歪になるのではないか。日本や韓国の立場は。
A 地球温暖化対策など良い方向で米中の協力が進むのは歓迎。しかし、悪い方向で進めば危険な状態となる。それを阻止するのは世界の世論。ASEANはアメリカや中国にきちんとモノを言っている。でも、安倍氏はアメリカ従属でモノを言わない。日本は国民が声を上げるべき。

Q 中国共産党の腐敗はなくならないのではないか。
A 中国共産党が政権を取れたのは蒋介石政権の腐敗を突いたから。今の中国共産党の腐敗には、習近平氏自信、危機感を持っている。権力が集中しすぎているところに市場経済が入りこんだため腐敗が進んでいる。

Q 中国での経済学の研究は。
A 当初は資本論に基づくものだったが、1990年代に入って中国は若い経済学者をシカゴに送り新自由主義を学ばせた。ただし、中国の学者は政府の方針はそれとして、したたかに独自に研究を続けている。

Q 尖閣諸島問題で日本政府は話し合いの門戸を閉ざしているが、2012年10月、玄葉外務大臣はヨーロッパで訴えるも受け入れてもらえず、ヨーロッパ諸国からは話し合いによる解決を求められた。日本は門戸を閉ざすだけの歪な態度を改めるべきではないか。
A そう思う。話し合いで論点を明確にし、それを双方の国民に示して、議論するのが外交。しかし、安倍氏は話し合いの道を閉ざし、靖国参拝、河野談話見直し言及などなど火に油を注ぐ行為に終始している。日本の世論がヨーロッパ程成熟しておらず安倍氏の行動が選挙結果に反映しないことが安倍政権を生き長らえさせている。

末浪靖司氏の著書「対米従属の正体」
http://www.koubunken.co.jp/0500/0482.html
posted by 後藤富和 at 00:35| 平和