2014年03月08日

映画「子宮に沈める」

今日観に行った映画
「子宮に沈める」

今この瞬間にも長く帰らないママを待ち続ける子ども達が誰の目にも触れずにすごしていると思うとたまりません。
ママだけの責任にしてはいけないでしょう。僕達に何ができる、地域で何ができる、電車で隣になった人に何ができる、隣の家に何ができる。考え続けました。
3/14までKBCシネマで上映しています。
posted by 後藤富和 at 21:42| 日記

よみがえれ!有明海〜漁民の願い

佐賀県太良町の漁業者平方宣清さんの意見陳述

1 私は、佐賀県太良町で主にタイラギ潜水業、アサリ養殖、クルマエビ漁で生計を立てていた漁業者です。壊れていく有明海、地域社会、漁業者の生活を前に、2004年、必死の思いで裁判を起こし、国に対して壊れていく有明海の被害を訴えてきました。
  しかし、国は私たちの被害の訴えに全く耳を傾けませんでした。それは、福岡高裁判決が確定し、国に開門義務が課せられてからも同じことで、国には、開門義務を履行しようという気が全く感じられませんでした。
  開門のための対策工事に3年必要と自ら言いながら、何も実行してこなかった国が、今回、開門義務自体を否定する裁判を起こしたことに、強い怒りを感じています。いったい国の何を信じたらいいのかわかりません。
今日、この場で、改めて、皆に、私たちの受けている被害の実情を知ってもらうために意見陳述をします。

2 諫早湾干拓事業が始まる前、有明海は生物が湧き出るように育つ宝の海でした。私の家は先祖代々150年にわたって太良町に暮らし、漁業で生計を立ててきました。私もまた、15歳の頃にはタイラギの潜水業を始め、19歳のときに漁業を継ぎました。
裁判官はタイラギをご存知ですか。大型の2枚貝で料亭などでも食される高級貝です。潮受堤防締切前、有明海ほどタイラギが獲れる海は日本全国どこにもありませんでした。どれくらい獲れるかというと、1分間で100枚です。4か月のタイラギの漁期の間、1分間で100枚獲り続ける漁ができたのです。タイラギだけで、良い人は1500万円、悪くても1000万円の収入をあげることができていました。タイラギ以外にも、クルマエビもよく獲れました。漁期の間、寝ないようにして獲り、夫婦で1か月も働けば200万円くらいの水揚げがありました。私の所属する大浦漁協の参事が、「大浦の組合員だけで太良町の歳入の半分を稼ぎ出している。」と誇らし気に言っていたことが思い出されます。

3 その豊かな海が、諫早湾の干拓事業で壊れました。国は、諫早湾干拓事業を始める前、私たち漁業者に対して、漁業にはほとんど影響が出ないと説明しました。仮に被害が出れば速やかに協議をするとも言いました。けれども、現実に被害が甚大に出ても、国は何もしませんでした。
今、タイラギはほとんど獲れず、去年に引き続き今年も休漁です。稚貝すら育たず、このままではタイラギが消えてしまうと漁業者は皆心配しています。今はアサリの時期ですが、例年なら50〜60キログラム獲れるはずが、5、6キログラムしか獲れません。イイダコも、潮受堤防締切り前は200キログラムは獲れていたのが、今は獲れても30キログラムくらいです。獲れない物ばかりです。ノリも、秋芽もとれず、冷凍ノリもすぐに色落ちしてしまって商品になりません。夏にはシャコやアナゴの漁期ですが、去年の経験からして、ほとんど獲れないと思います。
仲間の漁業者は、2月7日から漁に出ていません。出ても、船の油代も稼げないからです。このままでは、有明海の漁業はつぶれてしまいます。

4 国は、私たち漁業者の被害の訴えを真剣に取り上げてくれたことはありません。福岡高裁判決は、潮受堤防締切と漁業被害の因果関係を認めて開門を命じました。それなのに、国は、謝罪するどころか、「開門義務は負うが被害は認めない」と答弁を繰り返してきました。
それで、今回の開門義務自体の否定です。国は、私たち漁民との交渉の中で、期限までには開門すると、繰り返し説明してきました。それなら、その約束を守らなかった以上、今回こそ謝罪するのが筋ではないでしょうか。謝罪もしないで、「開門義務はない。」「権利濫用だ。」などと、いったいどの口が言うかと心底怒りを覚えます。漁業者を馬鹿にしています。
  今回の請求異議の申立書では、「こんなに色々努力しました。」と国が主張しているとのことです。漁業被害の現場すら見に来ず、いったい何を努力したというのですか。先日2月22日の農水交渉でも、漁業被害の現場を案内しますと漁業者が申し出たのに「検討します」の一点張りでした。毎回こんな感じで、被害を直視しようとしません。
こんな態度だからいつまでたっても筋のとおった説明ができず、開門できないのです。

5 4、5年前、盆ころから北風が吹きだし、赤潮が有明海外海に追いやられたことがありました。その年は、タイラギが少し獲れました。赤潮さえなければ、タイラギは戻ってくるのです。今は、潮受堤防によって締め切られた調整池から定期的に汚染された水が流されて赤潮が発生していますが、調整池に海水を導入しさえすれば赤潮は減り、有明海は必ず回復します。
  司法を蔑ろにし、三権分立を愚弄する国に対し、司法は厳正に判断してください。早く有明海が回復に向かうことを切に願っています。
posted by 後藤富和 at 17:17| 有明海

よみがえれ!有明海〜島原市の漁民の思い

長崎県島原市の漁業者中田猶喜さんの意見陳述。

1 はじめに
  私は,1950年(昭和25年)1月4日,長崎県島原市で生まれました。
  私の家は,祖父の代から漁業を営んでおり,私自身,中学卒業後漁業者となって48年目になります。
  現在,島原漁協に所属しており,妻と二人で漁業を営んでおります。
  今回,請求異議という裁判手続で意見を述べさせていただきます。

2 開門しなかった国・農水省
  まずはじめに私が述べたいのは,なぜ,私がこの場所に立っているのか,立たなければならないのか,という疑問です。
  私は,平成22年12月の開門を認めた福岡高裁判決の原告です。この判決は確定しました。私は,これでようやく有明海再生への第一歩を踏み出せると思い,遅くとも開門期限の平成25年12月20日までには開門がなされると信じて,その日をまだかまだかと待ちわびていました。
  しかし,この期待は見事に裏切られました。
  裁判制度は国の制度ですので,判決が確定すれば国は判決を守ると考えるのが普通です。まさか,国が確定判決を守らないなど,考えもしませんでした。
  しかも,国は,自分の怠慢で開門をするための対策工事をせず,猶予期間の3年を無駄にしたのに,そのことを棚に上げ,福岡高裁判決の原告であった私たちに対し請求異議という裁判を起こしてきました。どうしても,国は,開門をしたくないのです。  

3 諫早湾干拓事業の失敗を認めたくない国
  では,なぜ,国・農水省は,開門をしたくないのでしょうか。
  それは,開門してしまえば,国・農水省がかたくなに否定してきた諫早湾干拓事業による漁業被害の発生が,潮流の回復などの漁場環境の好転,漁獲量の回復という形で証明されてしまうからです。そして,証明されてしまえば,もはや閉めきることはできません。
  このことは,とりもなおさず諫早湾干拓事業の失敗を意味します。だから,国・農水省は,開門しないことに一生懸命なのです。
  そして,開門が先延ばしされれば,それだけ漁場は悪化しますから,それだけ開門した時の漁場の回復にも時間がかかります。
  だからこそ,仮に開門することになっても,国・農水省は先延ばし先延ばしにしたいのです。

4 現状
  この先延ばしは,私たち漁業者にとっては,最悪の状態が続くことを意味します。
  今は,クチゾコの季節です。以前は,一潮で7日くらい漁に出ていましたが,今は一潮で2〜3日しか漁に出ません。というのも,漁に出ても網にクチゾコがかかっておらず,取れても10s,ダメな時には3〜4s位しか取れず,船の油代にも満たないからです。
  また,現在,南北排水門から,調整池の汚い淡水が大量に流されています。つい最近も,おそらく2月16日ころだと思いますが,このときも大量の排水がなされ,網が汚れて魚がかかりませんでした。調整池ある限り,有明海の漁船漁業者に未来はありません。
  現に,私が所属する島原漁協は,組合員の高齢化が進むとともに,毎年組合員が減っています。その根本的な理由は,諫早湾干拓事業によって,魚が捕れないからです。私は16歳で漁業を始めましたが,今は組合の若手といっても40歳代です。生活の基盤が成り立たない限り,つまり,有明海が良くなるという見込がない限り,若い漁業者は増えません。それには開門しかありません。
  
5 小手先の対策事業ではなく開門による有明海の再生を
  これまで,国は,開門をしない他の方法による対策事業を行ってきました。
  しかし,これらの対策事業はなんら効果がありません。小手先だけの対策事業では有明海の再生などできないのです。だからこそ,福岡高裁は,開門判決を下したのです。国は,請求異議など取り下げるべきです。
  有明海の再生には,開門しかありません。
posted by 後藤富和 at 13:42| 有明海