2013年12月01日

今週のterra cafe kenpou

今週のterra cafe kenpouのご案内

池田和彦教授(筑紫女学園大学)をお招きし「消費者物価指数と生活保護基準」について、学習を行います。
当日は、筑紫女学園大学の学生も参加します。
みなさん、ご参加ください。

日時 12月3日(火)19:00-21:00
場所 光円寺門徒会館

なお、学習会終了後、懇親会を行います(会費2000円。飲まない人1500円、留学生500円。カンパ大歓迎)。

また、来週12/10は「福島現地視察の報告」(徳永由華・池田慎弁護士)を行います。
お楽しみに。
http://www.ohashilo.jp/pdf/TerraCafeKENPOU.pdf
posted by 後藤富和 at 13:12| 平和

2013年12月02日

【ご案内】福岡市人権を尊重する市民の集い

第42回福岡市人権尊重週間「福岡市人権を尊重する市民の集い」中央区会場において、講師としてお話しをいたします。
メインの講師は、NHK福祉番組アドバイザーの長崎圭子さんです。
僕はその前座で「小学校PTA研修委員会の取り組み」についてお話しします。
今、terra cafe kenpouで毎週、憲法や人権の学習をしていますが、そのモデルは実は小学校PTAの取り組みにあります。
僕は、小学校のPTAで研修委員長を3年間務めましたが、そこでは、今、terra cafe kenpouで行っているようなことを小学校の保護者を対象に行ってきました。
地域での人権学習、憲法の実践の参考になると思います。お時間あれば聴きに来て下さい。

日時 12月4日13時30分〜16時
場所 中央市民センター ホール
無料、先着500名
主催 福岡市人権尊重推進委員会
http://www.city.fukuoka.lg.jp/events/evt41106.html
posted by 後藤富和 at 11:03| 平和

2013年12月03日

今夜のterra cafe kenpou

今夜のterra cafe kenpouは、生活保護について学習しました。25名が参加。
「生活保護って何だろう?生活保護基準引き下げを考える」講師 池田和彦教授(筑紫女学園大学)

社会保障給付金103兆4879億円(2010年度)
そのうち生活保護は3.2%にすぎない。国家予算を多額に使っているわけじゃない。
不正受給は受給者の0.5%。99.5%は正当な受給。不正受給の中には高校生のアルバイト代未申告など軽微な例も含まれる。不正が横行しているわけじゃない。
受給者の38.9%は65歳以上。60歳以上が51.4%で、これに19歳以下を加えると66.4%。19歳以下+50歳以上だと79.9%。働けるのに楽しているわけじゃない。
生活保護を受けることは恥ずかしいことか→生活保護を受けることは、日本国憲法で保障された権利、基本的人権。最後のセーフティネット。
生活保護の問題だと言われていることのほとんどは生活保護以外の制度の問題。雇用保障や雇用保険、医療保障、年金制度の問題。本来はこれらの問題をきちんとフォローした上でのセーフティネットであるべき。
失業や非正規雇用は若い世代こそ深刻。
「貧困」とはお金がないことだけじゃなく、人間が人間らしく生きることができていない状態のこと、人間らしく生きるために必要な条件を奪われた状態のこと。

生活保護基準引き下げ
・自民党による生活保護制度見直し(生活保護基準10%引き下げ)
デフレを理由に生活保護基準を引き下げていいのか。本当に物価は下がっているのか。
食料や水道光熱費は下がっていない(むしろ上昇)。パソコンやテレビ、ビデオ、カメラなど高額電化製品などが大幅下落。被保護世帯はこれらの高額電化製品を消費できない。生活実態と異なる。

生活保護法の改正は、保護を求めに来た者が、申請をしにくいような(申請意思を萎えさせる)方向になされている。水際作戦の合法化。
間違いなく、自殺と餓死と犯罪が増えることになる。
posted by 後藤富和 at 23:49| 平和

2013年12月04日

風船発見情報45,46

風船発見情報45

連絡12/2 11;40 発見2〜3日前
熊本県山鹿市来民 里芋畑に落ちていた
気づいてはいたが、今日風船のところまで収穫したので拾って連絡した

風船発見情報46

連絡12/4 13:00 発見12/4 13:00
熊本県菊池市の倉岳山の中 山歩きしていてみつけた
メッセージは読めない


posted by 後藤富和 at 13:31| 環境

人権を尊重する市民の集い

人権を尊重する市民の集い(中央市民センター)に参加しています。
第1部の僕の講演は終わり、第2部「生きる力は自分の中にある!」(NHK福祉番組アドバイザー 長崎圭子さん)を聴いています。
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僕の講演では、小学校PTAの実践を通じて、人権や憲法の話しをしました。憲法改正や秘密保護法案についても踏み込みました。
posted by 後藤富和 at 14:52| 平和

2013年12月05日

福島原発の現状と玄海原発の再稼働問題

科学者会議・福岡核問題研究会の講演学習会のお知らせ

 NHK「特報フロンティア」で放映されましたように、原子力規制委員会に対する説明の中で、九州電力の事故対策が極めて杜撰であることが判明しました。こんな九電が玄海原発を再稼働させて大丈夫だろうかと疑問を持たれた方も多いと思います。
今回、以下のような学習講演会を開催しますので、ご案内いたします。
どなたでもご参加できます。

〜〜〜〜〜〜〜〜
「福島原発の現状と玄海原発の再稼働問題」

日時:2013 年12 月7 日(土曜日)開場13:30、開始14:00〜終了17:00
場所:ふくふくプラザ5F視聴覚室(福岡市中央区荒戸3-3-39)、資料代500 円

第一部:福島原発事故は今どうなっているか
1.汚染水問題を中心として、岡本良治(九州工大名誉教授)
2.除染と放射線被曝問題を中心として、豊島耕一(佐賀大名誉教授)
第二部:玄海原発の再稼働問題を考える
1.九電の過酷事故対策の問題点、中西正之(元燃焼炉設計技術者)
2.コメント、 北岡逸人(元柏崎刈羽市民ネット事務局長)

主催:JSA 福岡「日本の科学者」読書会、JSA 福岡核問題研究会
連絡先:eisaku.miyoshi@kyudai.jp、電話:092-522-8401
posted by 後藤富和 at 13:55| 環境

2013年12月06日

よみがえれ!有明海・国会通信180号

本日配布する「よみがえれ!有明海・国会通信180号」を大橋法律事務所HPにアップしました。
http://www.ohashilo.jp/active/ariake_pdf/ariake180.pdf
バックナンバーはこちら。
http://www.ohashilo.jp/active/ariake.html
posted by 後藤富和 at 10:47| 有明海

農水副大臣面談

江藤拓農水副大臣面談
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江藤農水副大臣に有明海のノリ養殖業の現状(ノリの芽が網に着かず流れてしまっている)を説明する長崎県瑞穂漁協の漁業者。
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posted by 後藤富和 at 11:29| 有明海

2013年12月07日

ヘイトクライムに抗して

「ヘイトクライムに抗して」(講師 中村一成さん・フリージャーナリスト、元毎日新聞記者)に参加しました。

戦前、朝鮮人に対する同化政策。
朝鮮語での授業禁止。
1930年代、朝鮮人は朝鮮語を教える寺子屋のような学校をつくるが日本は弾圧。
戦後、朝鮮人による自主学校「国語講習所」ができた。
1948年、この学校に対して日本政府は弾圧を加えた(朝鮮人学校事件)。その中で小学生1名が射殺された。
この年、朝鮮半島では両陣営の対立が決定的となり、済州島で武装蜂起。
1949年、武装警官が朝鮮学校に突入し、児童を排除。
アパートの部屋や保護者の家などで授業を続ける。
1960年、集住地域に京都朝鮮第一初級学校開校。集住地域に学校がある意味は大きい。在日の方が集える場所。木々の一本にすら先人の思いがある。ただし、グランドがなかったため、向かい側の空き地を運動場として使い始める。
1963年、京都市と地元自治会、学校でこの空き地の使用について、北側を朝鮮学校が授業で使うことについて合意。
その後半世紀、何ら問題はなかった。
周辺の都市化に伴い、この間の事情を知らない人がこの公園の周辺に住み出す。2009年、近隣住民が役所に抗議。
学校は代替地を見つけ、2010年1月にサッカーゴールなどをそちらに移転することを約束する。
近隣住民が在特会に抗議要請し、2009年12月から在特会のヘイトスピーチが始まる。

1 ヘイト・スピーチとは
人種、民族、性などの属性を理由として、その属性を有するマイノリティの集団もしくは個人に対し、差別、憎悪、排除、暴力を煽動し、または侮辱する表現。
→放置すればどうなるのか。
関東大震災時の朝鮮人虐殺。
ナチスのユダヤ人虐殺。
「選良」の「差別扇動」がむしろ支持される日本と、暴言が命取りになる国々(先進国のスタンダード)。
ヘイトスピーチを「憎悪表現」と訳すのは問題の矮小化に繋がる。人種差別撤廃条約4条で禁じられた「差別扇動」。

2 旧京都朝鮮第一初級学校事件について
2009年12月4日、在日特権を許さない市民の会、主権回復を目指す会のメンバーらが11名が、公然と1時間にわたって児童たちがいる学校に聞くに絶えない怒号を浴びせ続けた。校内では児童が泣き続けた。高学年の児童が泣き叫ぶ低学年の児童を抱きかかえて「僕たちは何も悪くないからね」と守り続けた。
その場にいた警察官は、ただ立っているだけで何もしない。
行政は、ショックを受けた子ども達へのケア(スクールカウンセリング)などはしていない。
刑事告訴については、警察への不信感から慎重論もあった。これまで、些細な駐車違反の捜索として多数の機動隊が朝鮮学校で捜索差し押さえ(ガサ入れ)を行うなど、周辺住民に対して朝鮮学校に対して悪いイメージを植え付ける(ハラスメント効果)行動が多数行われていたことから、警察に対する不信感がある。
刑事告訴をしたが、学校前でのヘイトスピーチ街宣が繰り返された。しかも、街宣参加者は1回目よりも増えている。
京都弁護士会が意見書を出すと、在特会は京都弁護士会に対してもヘイトスピーチを行った。
街宣禁止の仮処分。無審尋で仮処分決定。
京都府警は、仮処分決定後も、在特会の街宣を認め、3回目のデモが行われた。

3 何が毀損されたのか
(1)有形の被害
物品の破壊
人的、金銭的被害
地域から迷惑施設視され、学校移転
(2)無形被害
アウェー感(「朝鮮人って悪いことなの?」)
喪失感(1980年代90年代に権利を獲得していった先生や保護者の世代の、今日よりまともな明日があるとの思いが崩れて行った)
無力感(公的な手段をもってしても子どもを守れない)
引き戻され感(子ども時代に受けた差別を思い出した)

4 事件が浮かび上がらせたいくつかのこと
(1)「行動する保守」問題とは、相当部分において警察問題である。
ドイツの学者にヘイトスピーチのビデオを見せると「なぜ突っ立っている警察官を国家賠償で訴えないのか」と指摘。
(2)社会システムがない
救済のための実効的手段がない。
検察はもちろん、裁判所にも通じる「意識の低さ」
法廷での二次被害。

5 「覚悟と決断」の開いた地平〜刻むこと、書き継いでいくべきこと〜
(1)国際人権条約を日本の司法の場に引っ張り出した
(2)「民族教育権」という課題(同化主義を差別と捉えない「常識」)
(3)「司法」の場で結果を掴んだこと。
子どもに暴力を見せない(自力救済を自重した)
(4)開いていく闘いが築いた「場」
闘い、裁判を通じて「ここは私の故郷なんだ」

今、国によるヘイトクライムによって潰されようとしている。在日朝鮮人だけでなく私たちも潰されようとしている(朝鮮学校補助金打ち切り、朝鮮高校無性化除外、特定秘密保護法)。
posted by 後藤富和 at 17:04| 平和

【日弁連】特定秘密保護法の採決強行に抗議する会長声明

【日弁連】特定秘密保護法の採決強行に抗議する会長声明
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2013/131206_3.html
posted by 後藤富和 at 17:44| 平和

2013年12月09日

【明日】福島現地視察報告会

先日、原発なくそう!九州玄海訴訟弁護団が福島現地視察を行いました。
そこで、弁護団のコ永由華さん、池田慎さんを講師に、福島現地調査報告会を開催いたします。
現地で見てきたこと聴いてきたこと、感じたことを写真を交えて報告いたします。
お友達お誘いあわせの上、ぜひご参加ください。どなたでもご参加いただけます。
皆様のご参加お待ちしています。

日時 12月10日(火)19時〜21時
場所 光円寺門徒会館(福岡市中央区天神3丁目15−12。アークホテル博多ロイヤル斜め前)
講師 コ永由華さん(弁護士)、池田慎さん(弁護士)
主催 terra cafe kenpou、中央区九条の会、原発なくそう!中央区の会
posted by 後藤富和 at 09:50| 環境

特定秘密保護法反対

先週、特定秘密保護法に反対する国会前の行動に参加しました。
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この国が二度と戦禍に巻き込まれないように、そして子ども達が殺し、殺されないように、この法律は廃止しなければなりません。
闘いはこれからです。
posted by 後藤富和 at 14:29| 平和

2013年12月11日

昨夜のterra cafe kenpou

昨夜のterra cafe kenpouでは、原発なくそう!九州玄海訴訟弁護団のコ永由華さん、池田慎さんを講師に、福島現地視察報告会を行いました。
31名が参加。原中誠志県議や、新聞記者、司法修習生も参加。修習生は2名参加しましたが、そのうち1名はインターネットでterra cafeのことを知って参加したとのこと。また、大学生が何人も参加しました。

福島現地視察報告の中で、コ永さんが「暖かい日差しの中、芝生でお弁当を食べるって、本来はとっても楽しいことなのに。それさえ躊躇しなければならないって、悲しいこと」「私たちは放射線量が高い福島に2~3日滞在しても帰る場所があるけど、福島の人達はずっとここにいなければならない」と、福島で感じたことを自分の言葉で語っていたのが印象的でした。

原発なくそう!九州玄海訴訟では、原告を募集しています。現在の原告数は7137名です。1万人の峰が見えてきました。
この歴史的裁判にぜひご協力下さい。
原告申し込み書類は下記のサイトからダウンロードできます。会費は5000円です。
http://www.ohashilo.jp/no-genpatsu.html
よろしくお願いします。

来週のterra cafe kenpouは年内最後となります。
ホームレス支援を行っている奥田知志さんのドキュメント「絆が人を生かすから. 〜 ホームレス支援から見える無縁日本」を視聴します。
どうぞお楽しみに。

新年のterra cafe kenpouは1月7日からです。
posted by 後藤富和 at 10:28| 平和

菅波佳子司法書士講演会

◆「原発被害と司法書士」第7回口頭弁論意見陳述者 菅波佳子司法書士講演会

12月19日(木)福岡市立中央市民センター
会場18時 開始18時半(20時終了予定)
皆様ご参加ください。

■菅波佳子さん
東日本大震災は自身・津波の自然災害ですが、福島では原発事故による人災が続いています。福島第一原発から4キロの距離にある司法書士事務所は今も警戒区域で立ち入ることができません。以前の普通の暮らしができないことは、国や東京電力がお金などで賠償できる問題ではない。この先長く続く原発事故の多くの問題に対応し、正しい情報提供や相談活動だけでなく、司法書士に出来る、自立するための支援を考えていきたい。「被災した全ての方が、一日も早く平穏で幸せな日々を取り戻せますように」と自身も被災し、避難生活を続けながら積極的に被害者救済活動を行われています。そんな菅波さんの活動は朝日新聞「プロメテウスの罠」で連載されました。

http://no-genpatsu.main.jp/news/index.php/view/139
12・19「菅波佳子さん講演会」_01.jpg
posted by 後藤富和 at 19:58| 環境

2013年12月13日

中国百科検定

中国百科検定予備講座「歴史」(講師:井手啓二長崎大学名誉教授)を受講しています。
来年3月21日に九州大学箱崎キャンパスで行われる「第1回中国百科検定」のための勉強です。
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公式テキスト「中国百科」はまだ「地理」の部分までしか読めていませんが、本日、「歴史」の分野の想定問題を解きました。
恥ずかしながら16問中10問正解でした。日中友好協会福岡支部長の肩書を返上しなきゃならんですね。
勉強せんと合格が覚束ないです。

皆さんもチャレンジしてみてください。

Q 中国の英語名はChinaですが、それは何に由来しますか?
@秦 A陶磁器 B茶 C絹

Q マルコ・ポーロが中国を訪れたのはいつですか?
@宋代 A元代 B明代 C唐代

Q アヘン輸入の禁止に立ち上がった欽差大臣は誰ですか?
@林則徐 A孫文 B李鴻章 C袁世凱

Q 日中国交回復時の日本の首相は誰でしたか?
@大平正芳 A宮沢喜一 B福田赳夫 C田中角栄

Q 人民中国になって人口が減少した時期があります。その原因は次のどれですか?
@一人っ子政策 A文化大革命 B自然大災害 C大躍進政策

興味ある方、一緒に勉強しませんか。
http://www.jcfa-net.gr.jp/kentei/
posted by 後藤富和 at 19:25| 平和

2013年12月17日

今夜のterra cafe kenpou

今夜のterra cafe kenpouでは、NHK プロフェッショナル仕事の流儀「絆が人を生かすから ホームレス支援・奥田知志」を視聴しました。18名参加。大学生や留学生、司法修習生が参加しました。
posted by 後藤富和 at 23:49| 平和

2013年12月18日

憲政史上初 諫早開門、確定判決を国が守らない異常事態へ(前)

ネットIBニュース「憲政史上初 諫早開門、確定判決を国が守らない異常事態へ(前)」
http://www.data-max.co.jp/2013/12/18/post_16455_i_ymh_1.html
posted by 後藤富和 at 19:33| 有明海

沖縄のいま 基地問題と平和を考えるつどい

「沖縄のいま 基地問題と平和を考えるつどい」(中央市民センター)に参加しています。
会澤芽美さん(「沖縄」の心を訴え続けるメッセージ・シンガー)
「さとうきび畑」で始まりました。
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大久保康裕さん(沖縄県平和委員会事務局長)
改憲のはじまりと沖縄
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「沖縄経済は米軍基地に依存しているという誤った固定観念をただして欲しい」(仲井真沖縄県知事)
http://www.nikkei-rim.net/glocal/glocal_pdf/169PDF/169ishin.pdf

伊佐真次さん(ヘリパッドいらない住民の会事務局長)による、高江オスプレイパッド建設反対の戦いの報告。
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大戦中、学徒動員で名古屋で機関銃の弾を作っていたという福田光子さんが、terra cafe kenpouの取り組みを紹介しています。
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米海兵隊の基地として埋め立てが計画されている名護市の辺野古沖(大浦湾)を、2011年2月にダイビングした時の模様。
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カチャーシー。
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posted by 後藤富和 at 21:55| 平和

2013年12月19日

朝鮮学校無償化除外問題

本日、国が朝鮮学校だけを高校無償化(就学支援)の対象外としたことに対し、九州朝鮮中高級学校高級部の在校生、卒業生ら67名は、国賠訴訟(九州朝高生就学支援金差別国家賠償請求訴訟)を提起しました。
私も弁護団の一員として参加しています。

すべての子どもには学びへの権利があります!

訴状の結びを引用します。

原告らは皆、日本で生活する一人の高校生であり、または一人の高校生であった者たちである。多くの日本の高校生たちにとってそうであるように、原告らにとっても、高校時代は忘れられぬ青春時代である。
被告による朝鮮高校無償化除外は、朝鮮高校に通う原告らの高校生活を、高校生活とは認めないという「差別」の意思表示である。この被告による「差別」の意思表示は、原告らの青春に大きな傷跡を残し、今もなお傷跡を残し続けている。
高校時代、青春時代に民族も国境も関係ない。特に原告らは、日本で生まれ、日本で育ち、そして、これからの日本社会を担っていく大切な人材である。これからの日本社会を担う原告らに対して、「朝鮮高校に所属している」という不合理極まりない理由で「差別」という傷跡を残し続けることは許されない。
国際連合や日弁連、各弁護士会が声明や意見書等で指摘するように、被告が朝鮮高校だけを無償化の対象から除外することは、違憲・違法である。このように国際的な見解、法律家団体の見解が多方面から示されているにもかかわらず、被告はその姿勢を一向に改めようとしない。
被告による良識ある対応を期待できない以上、原告らの傷跡を癒すのは、司法しかない。人権最後の砦である裁判所の適切な判断によって、朝鮮高校に通う原告らの傷跡が少しでも癒されることを切に願う。
posted by 後藤富和 at 15:23| 平和

諫早湾開門をめぐる現状

1997年、諫早湾奥部は、国営諫早湾干拓事業潮受け堤防によって締め切られた。それと前後して、諫早湾そして有明海の環境は悪化し、有明海全域で大規模な漁業被害が頻発している。そのため、有明海沿岸地域では、漁業者の自殺があとを絶たない。
 2010年12月、福岡高裁は、漁業者の訴えを認め、判決確定の日から3年以内に諫早湾干拓潮受堤防の南北両排水門を5年間にわたって開放するように命じる判決を下した。当時の菅直人政権は福岡高裁判決を受け入れ、同判決は確定した。その結果、国は、2013年12月20日までに潮受堤防を開放する法的義務を負うに至った。
 それから3年、国は何もしてこなかった。開門にむけた対策工事には3年の期間がかかると国は主張しておきながら、この3年間、国は、長崎県の反対を口実にして対策工事に着手してこなかった。
 11月12日、長崎地裁は、新旧干拓地農業者や長崎県農業振興公社らが起こした仮処分において、潮受堤防の開門をしてはならないとの仮処分決定を行った。
 開門を認めない決定の根拠となったのは、国が対策工事を怠ってきたこと、そして、国が有明海における漁業被害を主張しなかったことの2点である。つまり、このような確定判決と一見矛盾するような仮処分となったのは、国が、福岡高裁判決を真摯に受け止めず、判決の主文には従うが、開門の根拠となった有明海における漁業被害について認めたわけではないとの不遜な態度に終始したためである。
 国が福岡高裁判決を真摯に受け止め、諫早湾干拓事業の過ちを認め、有明海漁業者や干拓地営農者に向き合って自らの非を認め謝罪し「有明海の再生のために国も真剣に努力するので、漁業者も農業者も協力して欲しい」という態度に出たのであれば、今回のような混乱を招く仮処分は避けられたはずである。そればかりか、福岡高裁判決確定以降、遅々として開門が進まない状況の中で漁民たちが自ら命を絶つという事態も防ぐことができたはずである。
 また、本来、紛争の解決を目指す裁判所が、確定判決と矛盾する決定を出したことで、事態をさらに混乱に陥れたことに対しては、司法の役割を見失ったものとして憤りを禁じ得ない。しかも、11月19日、長崎地裁は、開門差し止め訴訟の原告である営農者側に対し、開門を求める漁業者側を相手取って国に開門を強制しないよう求める訴訟を起こす意向があるかを確認する求釈明を行った。本来、誰を相手にどのような訴訟を提起するかどうかは、処分権主義の下、当事者の専権事項であって、そこに裁判所が関与すべきでない。しかも、本来は対立当事者ではない農業者と漁業者を争わせる新たな紛争の火を点けることとなり、紛争解決の機関としての裁判所の役割を完全に放棄したものであると言わざるを得ない。
 もっとも、長崎地裁仮処分は、福岡高裁の確定判決の効力を失わせるものではない。国が負っている諫早干拓排水門を開放する法的義務はいささかも揺らがない。11月19日に参議院議員会館で行った「諫早干拓排水門の開門を求める緊急集会」には超党派の議員と220名を超える市民が集まり、開門を求める国民の声はさらに大きくなっていることを示した。
 開門を認めない仮処分決定の根拠の内、農業用水や湛水被害などの対策工事に関するものは、しっかりした準備工事を行うか否かの問題にすぎない。漁業被害に関するものは、現に存在する漁業被害を直視し、開門調査の意義を踏まえ漁業被害を主張するか否かの問題にすぎない。つまり、長崎地裁の仮処分決定は、福岡高裁確定判決と矛盾するものではない。
 国は、諫早湾干拓事業がもたらした漁業被害と開門確定判決を軽視し、開門確定判決が命じた開門義務の真摯な履行をサボタージュしてきた態度を真摯に改め、直ちに、対策工事について改善すべきは改善し、開門義務を履行すべきである。
今後上級審の審理と本案の審理を通じてようやくその内容が確定する仮処分決定があるとき、相反する2つの義務のうち、国が従うべきは開門確定判決である。
私たちは、国が福岡高裁の履行期限である12月20日に開門できなければ、直ちに、間接強制を申し立てる予定である。
国は、確定判決をみずから守らなかったという憲政史上かつてない事態、そして、間接強制まで受けるという事態を恥ずかしいものと受け止めるべきである。そして、国の無策のために、長年苦しめられてきた漁業者たちをさらに苦しめる事態を招いた現実を直視すべきである。
 潮受堤防排水門の開門と開門調査は、有明海異変とまで言われた深刻な環境破壊のなかで不漁に苦しむ有明海漁民の悲願である。有明海沿岸4県にわたる深刻な環境破壊と漁業被害をもたらした有明海異変は、被害の広域さ、深刻さ、破壊された環境のかけがえのなさにおいて、歴史上希に見る環境破壊であった。不漁のなかで多くの漁民が陸に上がった。自殺に追い込まれた漁民も少なくない。漁業によって成り立っていた地域社会は破壊された。被害はもはや極限状態まで来ている。宝の海・有明海の再生は、待ったなしの急務である。
posted by 後藤富和 at 16:22| 有明海

原発被害と司法書士」(講師 菅波佳子司法書士)

講演会「原発被害と司法書士」(講師 菅波佳子司法書士)に参加しました。
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以下は僕のメモ。

菅波氏は、福島第一原発から4kmの大熊町で司法書士事務所を開いていた。
原発があって人が集まる地域ということもあって、いわき市出身の菅波氏は大熊町で独立開業した。
震災当日、事務所で執務をしていた。電話は通じず、実家が心配になり自動車でいわき市に向かった。
いわき市に向かう道は道路が陥没し、渋滞で何時間経っても富岡町から出れなかった。そこで、大熊町の事務所に引き返した。
一晩、自動車の中で過ごした。
深夜、いきなり防災無線がなり、原発から3km内の人達に避難勧告が出た。4kmはどうなのかと思ったが、避難先が近くだったことや、ラジオは津波のことしか言わないので、大丈夫だと思って、そのまま自動車の中で過ごした。
朝方、防災無線で消防団員が呼び出され、その30分後の防災無線で、住民全員、集会所に避難せよと流れた。
念のための一時的な避難なので手荷物だけ持って下さいとの指示だった。自動車には乗って行かないようにという指示。観光バスを待つようにという指示。指示を出している消防団員も、バスがどこに行くのかすら知らない。観光バス30台で、どうやって1万1000人の町民を避難させるのかと思ったが、一時的な避難と繰り返し言われ、特に原発が危ないとは思っていなかった。危機感はなかった。
バスは1台来たっきり、後は来なかった。
昼過ぎに自衛隊のトラックが来て、帆付きの荷台に乗って大熊町を離れた。
受け入れ先がなく、山の中をグルグルと走り、深夜12時過ぎになってようやく郡山市の避難所にたどり着いた。通常1時間半程度の距離を10時間以上かかった。
すぐには避難所には入れてもらえず、スクリーニング検査を受けてからしか建物内に入れなかった。
翌朝、大熊町民は別の場所に移動するという指示で、バスに乗ることになったが、この間、何も食べていない。
近所の方々が炊いてくれたおにぎりを食べた。塩もついていなかったが、ガスも水道もない中で、おにぎりを握ることがどれだけ大変だったろう。
高校の体育館に移動し、そこは、毛布もなかった。2日くらいして自衛隊が毛布を持ってきたが薄くペラペラで、しかも人数分もなかった。
ストーブは夜だけしかつかず、とても寒かった。
寒くて起きてられず、スーツのまま毛布に包まって知らないおじさんの隣で寝た。
実家に迎えに来てもらい避難生活は1週間で終わった。

被災証明書をFAXでもらった。
広島原爆の時も、被災証明書が発行された。これがないと配給が受けられなかったらしい。

福島にはいたるところにモニタリングポストがある。
福島市に移転した事務所の近くのモニタリングポストは、除染をした後にも関わらず、0.885μSv/hあった。その後、2度目の除染がされた。
公園の看板には「公園の利用は、1日あたり、1時間程度にしてください」と注意書きがある。

スクリーニング検査を受けると、白紙のスクリーニング済証がもらえる。中身は自分で記入する。
このスクリーニング済証がないと、県外の施設などでは入れてもらえないことがあった。

いわき市は、原発事故から2週間目に、40歳以下の市民に安定ヨウ素剤を配布した。
しかし、1年くらい前、使用期限が切れるということで、保健所が回収し、すぐに新しい安定ヨウ素剤が配られた。つまり、これからも放射性物質を大量に浴びるという危険があるということ。

実家に戻った後、司法書士業務をどうするか、特に後見人になっていた寝たきりの認知症の方々のことが気になった。
事務所に記録を見に行くこともできない。
病院もない、役所もない、連絡のつけようがない。
裁判所に問い合わせても、裁判所も機能していない。
インターネットの避難所情報を辿って、避難所に電話をかけまくって、一人一人を探した。

公益性がある事業所のみ一時立ち入りが下りるということで、5月になって許可をもらった。ちなみに初めて公益性がある事業所と認められたのは歯科医院。身元が分からない遺体の身元確認のために歯型を照合するため。

東電の社員が一緒に付いてくるし、しかも、自己責任で立ち入るとの同意書に署名した上で、全身防護服に身を包み、2時間しか立ち入れない。持ち出す荷物はすべて東電の検査を受けなければならない。首からは積算線量計とトランシーバーを持って行く。

1年後に一時帰宅した時、線量を測ると、自宅室内は9.4μSv/h、外は9.99(検出限界オーバー)。この時の被曝量は2時間で13μSv。
推計積算被曝量は3ミリSv(マイクロではない!)。

事務所の近くの双葉病院は、高齢者が入院していたが、線量が高く救助に行けず多くの方が亡くなった。
依頼者の夫もここに入院していて、避難ができたが、避難先で亡くなってしまった。
その連絡も何日も経ってから。
避難所なので線香もあげれず、写真もない、納骨もできない。

クルマは廃車すらできない。業者が引き受けない。

県外への避難のピークは原発事故から1年後。つまり、避難するかどうか決めるのに1年かかっている。
福島から県外に避難した人達は「福島に背を向けるようなことをして申し訳ない」と後ろめたい気持ちでいる。
では、福島に残っている人はどうか。避難したがっている。
体育や部活をするのにも、親の承諾を要求される。子どもに将来影響が出るかどうか。給食を食べるかも親の判断。福島市でも郡山市でもそういう状況。

賠償は固定資産を基に決められているので、他の地域に家を買うには足りない。
新しい家はそこそこの賠償が出るが、それは住宅ローンの返済に消える。そして、その人が再び住宅ローンを組んで家を建てるのは困難。

生活拠点が決められない。
働きにくい(賠償金が下りて良いねなどと言われる)
広域避難者の後ろめたさ。強制避難じゃなくて申し訳ない。
賠償に意味がない。お金では解決しない。例えば、ペットを置いてきたことの心の傷はお金をもらっても解消しない。

地元の人の意識(国の発表を信じていない)
水道の水は飲まず、ペットボトル。
福島の野菜は買わず、他県のものを買う。
山菜やキノコは食べない。

避難者がいたら、福島からとか関東からとか線引きせずに接して欲しい。

同じような経験は私たちだけで十分。
九電の社員には、事故が起きた時に私達のような被害を受け止める心づもりはあるか聞いてみたい。
訴訟で原発を止めてください。玄海訴訟は多くの人数で裁判所を変える。
posted by 後藤富和 at 20:42| 環境

2013年12月20日

本日、諫早開門履行期限

本日、諫早開門履行期限を迎えます。
確定判決を守らないという憲政史上はじめての失態です。

有明海の再生、諫早湾の開門をめぐる極めて正確な報道だと思います。
ネットIBニュース
憲政史上初 諫早開門、確定判決を国が守らない異常事態へ(前)
http://www.data-max.co.jp/2013/12/18/post_16455_i_ymh_1.html

憲政史上初 諫早開門、確定判決を国が守らない異常事態へ(中)
http://www.data-max.co.jp/2013/12/19/post_16455_i_ymh_1.html

憲政史上初 諫早開門、確定判決を国が守らない異常事態へ(後)
http://www.data-max.co.jp/2013/12/20/post_16455_i_ymh_1.html

セマングム干拓のモデルとなった東アジアにおける環境破壊の象徴「諫早湾干拓事業」。
日本国政府が開門義務を果たせるか世界中の環境NGOが注視していました。
安倍政権は日本は法治国家ではないという事実を世界に示したこととなります。
posted by 後藤富和 at 12:31| 有明海

【原発なくそう!九州玄海訴訟】斎藤貴男さん意見陳述

本日の原発なくそう!九州玄海訴訟第7回口頭弁論において、ジャーナリストの斎藤貴男さんが述べた意見。

 私はさまざまな社会的事象やその背景を取材し、雑誌や新聞、単行本に記事を執筆することを生業としている者です。原発問題については昨年五月に講談社から刊行した『「東京電力」排除の系譜』で取り上げ、編集者や全国紙の文化・学芸記者らの投票による第三回「いける本」大賞をいただきました。この間の取材・研究の経験などに鑑み、私なりの意見を表明します。
 私は玄海原発をはじめ、日本の原発は可能な限り速やかに廃炉にされるべきだと考えています。政府の原発政策や電力会社の運用が徹頭徹尾デタラメであり続け、とてもではないが信頼に耐えられるものではないと断じざるを得ないからです。一言で言えば国民を舐めきっている。たとえば、
@国内の平均的な原発がミサイル攻撃を受け、緊急避難を行わなかった場合、最大で一万八千人が急死。死亡にまでは至らなくても造血機能が損なわれるなどの急性障害が最大で四万一千人も出るとする試算を1984年に外務省がまとめたにもかかわらず、「反原発運動を利する」などといった理由で公表されないままで、しかもミサイルだけでなく一切のテロ対策も講じられなかった。
A経済産業省の外郭団体である「製造科学技術センター」は、原発事故に対応できる防災ロボットの開発に予算をつけ、2001年までに三菱重工業、東芝、日立製作所などが完成させていた。2人の死亡者を出した東海村のJCO臨界事故を受けた動きだったのに、肝心の電力会社が反発し、「何かあったら人間が作業すればよい」との結論が導かれて、採用されずじまいだった。
 ――などといった事実を、私は『「東京電力」排除の系譜』で詳しく検証しました。北朝鮮が攻めてくるから憲法を改正して備えるのだと言いながら、一方では無防備の原発を粗製濫造し続けている自民党政権は何を考えているのかと指摘した元原発技術者の論文を発見し、原稿に引き写していた際には、彼の怒りに共感するとともに、低次元も極まった政治を嘆いて、つくづく悲しくなったことをよく覚えています。
 拙著では、原発に反対している人々を政府や電力会社がいかに敵視し、凄まじい人権侵害を重ねているかも追及しました。地域の個人情報をたやすく収集できる電力事業の特性を悪用し、公安警察などと連携しては、従順でない国民を監視下に置き、嫌がらせを重ねてきた卑劣にこそ、原発の本質が凝縮されているのではないかと思われるほどです。
 また、これは拙著を刊行した後ですが、鹿児島の空港で購入した地元出版社の本に、次のような記述を見つけたことが忘れられません。佐賀新聞の記者が玄海原発に触れ、“町議会議長を六期も務め、町長さえも意のままに操った玄海町のドン”と呼ばれた人物の談話を記していたのです。
〈「用地買収にからんで、飲んだ酒代の総額は一年間で大体一千万円」。昭和四十年代の一千万円である。酒席は車で約四十分離れた唐津の町で毎晩のように続いたという。
「清算は町の議長交際費で五百万。九電が五百万出した」と豪語する。「人を説得するのにお茶なら一年かかるところが、酒なら一月で済む。女なら一日やけどな」と言い切った。
 原発行政にも軍隊経験者らしく、「あくまで国を信じる」と言い切る言葉によどみはない。「反対派のいる地区には道路も通さん」と言い、実際にその力もあった彼に逆らうことは、狭い町の住民には許されなかった〉(武富泰毅「九電玄海原発 人口過密地、足下に集中する原発」橋爪丈郎編著『九州の原発』南方新社、2011年所収)
 過ぎ去った歴史は変えようがありません。ですが、福島第一原発事故を経験してしまった私たちには、せめて未来だけでも改めていく責任があるのではないでしょうか。
 3・11東日本大震災からしばらくの間、そのような機運が高まった時期があったように記憶しています。ポスト原発時代のエネルギーをどうするか。将来における日本の経済社会ビジョンは。そもそも、私たちはいかにして生きていくべきなのか――。
 哲学的とも言える命題を掲げた書物が巷に溢れ、誰もが何事かを考え始めたらしいと感じることができた日々は、しかし、じきに終わってしまいました。経済成長――というよりは一握りの巨大資本の経済的利益――だけが絶対無二の価値であり、正義であり、バラ色の未来を約束してくれる福音なのだとする発想にこの国の社会はまたしても覆い尽くされて、やがて原発事故のごときは“起こらなかったこと”として黙殺し、抵抗する者をせせら笑う態度こそが、まるで理想的なリーダーシップでもあるかのように喧伝されていきます。
 このところの政財官界が猛進している官民一体、オールジャパン体制による原発輸出も、その表れのひとつでしょう。アベノミクスの柱のひとつに位置付けられた国策は、必然的に国内でのさらなる原発推進を伴います。新幹線の何十倍もの電力を消費すると言われるリニア中央新幹線が来年に着工されるのも、高レベル放射性廃棄物の最終処分場探しがにわかに加速しつつあるのも、もちろん福島の被災者たちへの補償が一向に進まないのも、当然、無関係ではありません。
 すなわち国策たる原発輸出のバックヤード、あるいはショールームとしての日本列島、という構造が築かれようとしている。原発立国が目指されていると言って過言でないかもしれません。爆発した原発の後継機を海外に売り込むからには、放射能の不安など気にもせず、ひたすら国の経済成長に人生を捧げている国民の生活ぶりを相手国の要人にアピールし、なおかつ接待や饗応の舞台とする場所が必要だということです。すべての原発が停止している現在でも電力は十分に足りているではないかとする合理的で説得的な批判が、それでも顧みられることがない所以だと思います。私たち日本国民はいつの間にか、原発産業とその利益に直結するインナーサークルを命がけで支える決死のカミカゼ・セールスマンに仕立て上げられていることになりますね。
 繰り返します。日本政府と電力産業の、人間を舐めきったやり方を、私はどうしても許せないのです。許せないことを許さないために、私はあらゆる手段を用います。各地の反原発、脱原発の運動が挫けずに頑張っているのですから、私も書いたり喋ったりの本業だけに拘りません。そんな折に本件訴訟の存在を知り、私はぜひ原告の一員となって、私たちの社会を少しでもまっとうにするための一粒の麦でありたいと考え、今、この法廷で意見を述べさせていただいております。玄海原発の周辺住民でもないのに、と自問自答もしましたが、少なくとも自分にとってはプロのジャーナリストとして知り得た現実に対する責任を果たす義務が優先されると判断した次第です。
 私はもともと、原発のテーマにさほど熱心な物書きではありませんでした。その危険性は承知していましたし、反原発の立場でもありましたが、本格的な仕事にしたことはなかったのです。
 恥を申します。国策に本気で抗えば世間に疎まれ、ただでさえ窮屈なこの国の社会で、ますます居場所がなくなるに違いないと考えていたからでした。多くの先達が充実した取り組みを重ねておられたのを横目に、どうせ自分の出番などありはしないのだしとも思い、己を正当化させておりました。
 ですが、もう黙っているわけにはまいりません。裁判長にお願いします。私たちの祖国をこれ以上、支配と被支配の関係ばかりに貫かれた封建社会であり続けさせないために、玄海原発の差し止めを是としてください。わが国の未来は、裁判長のご判断にもかかっているのですから。
posted by 後藤富和 at 14:43| 環境

【原発なくそう!九州玄海訴訟】菅波佳子さん意見陳述

本日の原発なくそう!九州玄海訴訟第7回口頭弁論における司法書士菅波佳子さんの意見陳述。
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 私は、福島県の司法書士です(職名:菅波佳子)。私の自宅と事務所は、双葉郡大熊町の福島第一原発から4キロの距離にあります。大熊町では、2011(平成23)年3月11日の夜10時前に、福島第一原発から3キロ圏内の住民に避難指示が出され、10キロ圏内の住民に屋内待避の指示が出たことを知らせる防災無線が町内に響き渡りました。携帯電話は通じず、家族の安否もわからないまま、不安な一夜を車の中で過ごしました。翌朝6時頃、原発から20キロ圏内の住民に避難指示が出たので大熊町民は全員避難する。迎えのバスが向かっているから近くの集会所に直ちに集合するようにと指示する防災無線が繰り返し流れました。集会所では、「山側に避難する。観光バスだから荷物は手荷物だけにするように。ペットは連れて行けない。車では避難しないように」と消防団員らが説明してまわっていました。住民達は、「原発に何かあったのか?どこに行くのか?いつまで避難するのか?」と聞いていましたが、「山側のどこに行くのかはわからない。念のために避難するだけだと聞いている」と回答するだけで、消防団員らも詳しい情報は聞かされていないようでした。「30台の観光バスが往復して町民全員を避難させる」との説明でしたが、大熊町の人口は約1万1000人です。たった30台で避難なんてできるはずがないと思いました。暫くして、バスが1台到着しました。高齢者や小さい子供連れの家族を先に乗せ、集会所で後続のバスを待ちました。数台のバスの後、昼を過ぎた頃に、自衛隊のトラックが何台も連なってやってきました。私は、残りの住民達と一緒にトラックの荷台に乗り、大熊町を後にしました。
山側に向かう細い道路は、避難する車や自衛隊のトラックで大渋滞していました。受け入れ予定先の避難所では「既に定員を超えたから他に行って欲しい」と何か所も断られ、その度に新たな受け入れ先を探し、あても無く山中の道をトラックに揺られ彷徨いました。結局、トラックの荷台に10時間以上乗っていました。
真夜中にやっと決まった避難所でも、水素爆発があったために、スクリーニング検査を受けなければ建物の中に入れてもらえませんでした。ようやく家族と連絡が取れましたが、ガソリンが流通しておらず、すぐに迎えには来てもらえません。私は、郡山市内の避難所に1週間滞在し、その後実家のあるいわき市に身を寄せました。いわき市は、避難指示区域には指定されていませんでしたが、多くの住民が避難していて、コンビニもスーパーも営業していなかったため、生活必需品を買い揃えることもできませんでした。
実家の姪の服を借り、原発事故前から後見人に就任していた被後見人3名の安否確認作業に入りました。着の身着のまま避難し、事務所にも立入りできない時期に、被後見人の情報は自分の記憶だけです。管轄家庭裁判所は休止が続き、謄写を求めても対応してもらえませんでした。インターネットで公開された避難所情報を頼りに、何十か所もある避難所に電話をかけましたが、どこも電話はパンク状態で、繋がっても混乱していて、名前程度の情報だけでは探せませんでした。不安でたまりませんでしたが、役場の福祉課職員や社会福祉協議会、地域包括支援センター、とにかく高齢の被後見人の安否を確認するために電話をかけ続けました。幸い全員が県内外の施設に引き受けられていて、生存を確認することができました。
 4月初めには、休止していた相馬簡易裁判所の事件が再開しました。慌ててスーツを買い、訴訟資料をすべて謄写し、法廷に立ちました。1か月後に次回期日が定められましたが、それまでに依頼人の安否確認ができるかどうかもわかりません。自分の生活拠点を確定させなければ、司法書士業務は不可能でした。県内外に避難している依頼人達に対応するため、移動に便利な福島市内に部屋を借りましたが、このままでは、依頼人の連絡先すらわかりません。大熊町の事務所に顧客ファイルを取りに行かなければ、どうにもならないことを大熊町の災害対策本部に訴えました。当時は、個人の一時帰宅も認められておらず、「公益性のある事業所」にだけ立入りを検討すると聞き、後見業務や裁判を受ける権利の重要性、高齢の被後見人の安全確保の緊急性など、その公益性を疎明して立入りの許可を求めましたが、原発から5キロ圏内の事業所の立入りには、東電の放射線管理職員の同行が条件とされ、簡単には許可されませんでした。毎日、大熊町の災害対策本部に電話をかけ、「迷惑は掛けない、何があっても責任追及などしないから自分の事務所に入らせて欲しい」と懇願し続け、大熊町第1号として、事務所への立入りが認められたのは、震災から2か月後の5月10日でした。滞在時間は2時間と指示されたので,防護服を着て、地震で書類が散乱したままの事務所に入り、開業当初からの顧客ファイルや情報の入ったパソコンを運び出しました。
持ち出した顧客ファイルから、携帯電話の番号がある依頼人達の安否確認を始めました。県内外に避難した依頼人達と電話や面会して話をするたびに、原発事故の被害の大きさを知ることになりました。自宅や職場が警戒区域に指定されたために、家族全員が職を失い避難所で生活する方、避難後に家族が命を落とした方や入院した方、子供達は母親と学校の移転先で生活し、父親は会社の移転先へ、祖父母は役場機能の移転先の避難所へと家族が離散した話は山ほどありました。
一人で大熊町に住んでいた高齢の依頼人女性と連絡が取れたので、避難所に会いに行きました。自宅近くの病院に入院していた夫は、神奈川県の病院へと避難させられ、避難直後に病院で亡くなりましたが、携帯電話を持っていない妻には連絡が取れませんでした。死後数日経ってようやく対面でき、知らない土地で火葬し避難所に遺骨を持ち帰りましたが、避難先は、一般の旅行客もある温泉旅館だったため、旅館に迷惑をかけてはいけないと、お線香をあげることすら控えていました。当時高齢者は、一時帰宅も認められておらず、遺影になる写真の一枚もありませんでした。死に目にも会えず、葬儀もできず、毎日たった一人で、避難所である温泉旅館の一室で遺骨を眺めていたことを知りました。
原発事故から3か月目の6月11日には、被後見人が一人、命を落としました。避難直後から熱を出し、入退院を繰り返していました。入所していた大熊町の施設から急遽、会津若松市内の施設に運ばれ、広大な福島県の端から端へ、寝たきりで82歳の弱った体に大きな負担を強いられたのは明らかです。危篤の知らせを受けて、すぐに会津若松市内の病院に向かいました。既に息を引き取っていた被後見人の姿を見たときは、悔しくて悲しくて涙が止まりませんでした。何年先に発生するかわからない健康被害を避けるため,命を縮める結果になったのです。地震だけなら何の影響もなかった高齢者まで一律に、避難の指示を出した政府や東京電力に憤りを感じました。避難先で火葬しましたが、大熊町に先祖代々のお墓があっても納骨することはできません。避難指示区域の住民は亡くなった後ですら戻れないのです。
 今年4月、司法書士の先輩も命を落としました。原発事故前は、支部で誰よりも元気な姿を見せていた先輩は、避難先を転々とし、仮設住宅に移り住みましたが、日に日に体力が衰えました。葬儀で「先日は○○さんが、その前はあの人も、そしてまた」と周囲の高齢者が次々と亡くなっていく現状に、「原発事故を恨んでも恨んでも、恨みきれません」と涙ながらに読まれた弔辞に、避難先から参列した住民らが同じ思いで悔し涙を流していました。
 原発事故から2年以上が経過して、命を奪われているのは体力の弱い高齢者だけではありません。今年9月にも、私の依頼人が亡くなりました。震災前、債務整理手続きのために私の事務所を訪れた依頼人は、長年勤めた会社をリストラされたことで住宅ローンの支払いが困難となり、貸金業者などから借入れをするようになっていました。依頼人は、再就職はできたものの、体に障害があり、「自宅は自分の体に合わせて作られている。どうしても自宅を失いたくない」と希望したため、個人民事再生手続きで自宅を守り、他の債務を圧縮することにしました。裁判所に申立てをして開始決定後、原発事故は起きました。個人民事再生手続きは、安定した収入がなければ認められません。原発事故で再び職を失い、取下げを余儀なくされました。法的救済を受けられるはずだったのに、それができない。原発事故で生活基盤を失った不安に加え、借金の悩みも復活したのです。依頼人は、避難先から一時帰宅する途中に脳梗塞を起こし、そのまま帰らぬ人になりました。体が不自由で64歳の単身、慣れない避難先のアパート暮らしに、室内で何度も転んでは、「原発事故が憎くて悔しくて、一人で泣いていた」というのが、私が依頼人から聞いた最後の言葉でした。
福島第一原発の立地している双葉郡8町村の直接死者数208人に対し、原発事故関連死者数は、921人(平成25年12月15日現在)となり、原発事故の避難による関連死者数が震災の直接死者数を大きく上回っています。この中には、将来を悲観した自殺者も含まれています。東日本大震災の難を逃れ、助かったはずの大事な命を次々に奪っていく原発事故が憎くてなりません。関連死であるかを問わず,多くの高齢者は、故郷に帰りたい願いも叶わぬまま、人生の最期を避難先で迎えていますが、その無念を国や東京電力が知ることなどできません。
 「原発事故さえなければ」。私達住民は、この言葉を何十回、何百回、口にし、涙したかわかりません。「もう二度と同じような苦しみを誰にも経験させたくない」という思いから、この裁判に原告として参加しました。
そして、法の担い手の一人として、現地福島の被害の実情を直接お伝えするために,本日ここに参りました。原発事故を受けても、国は原発ゼロへ政策を転換しません。私は、裁判所だけは、原発の存在が地域住民の命に係わる問題と捉え、正しく判断してくれると信じています。
posted by 後藤富和 at 14:52| 環境

2013年12月21日

諫早湾開門確定判決「不履行」抗議集会

諫早湾開門確定判決「不履行」抗議集会



農水官僚に斬り込む仁比聡平参議院議員。なぜこの場に農水大臣、安倍総理が出てこないと追及。



国に抗議するタイラギ潜水漁業者平方宣清さん。


穏やかで普段声を荒げることのない平方さんが、怒りと悔しさで声を震わせています。

反省したフリをする九州農政局長、農地資源課課長ら農水官僚。



長崎対佐賀の争いと言われてますが、長崎の漁業者も諫早開門を求めています。長崎県島原漁協の中田さん。
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謝罪する気はないと開き直る九州農政局長。
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(中田:長崎県島原の漁民)夫婦で寒い海に出ても一晩で魚15匹しか獲れない。燃料代にもならない。漁業者と農業者と争いじゃない、農水官僚が地域の住民を苦しめている。有明海の再生、有明海沿岸地域の再生があなた方の仕事じゃないか。私は命ある限りあなた方と戦う。

「ここに座ってちゃんと話を聞いて行きなさい!」馬奈木弁護団長
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(馬奈木弁護団長)佐賀地裁、福岡高裁は、諫早腕干拓事業によって有明海異変が起きて大変な漁業被害が起きている。だから開門しなさいと言った。
開門によって懸念される農業被害は対策を講じて簡単に防げると、福岡高裁は言い切っている。その対策を3年以内にしなさいと言った。
しかし、国はこの3年間、対策工事をしなかった。
しかも、実現困難な工事を掲げ、具体的な方策を取らなかった。
国が開門しないと決めたら問題は解決するか。
解決するわけがない。漁業被害は続いている。
話し合いをすると言っているが、その間、漁民は見捨てられている。
対策工事をすれば、農業被害は起きない。
起きないんですよね。
(九州農政局長)はい。
(馬奈木)農民対漁民の対立ではない、ましてや佐賀の漁業者と長崎の人達の対立ではない。
長崎県知事は農民にも冷たい。
後背地の農業者を放置してきた。
干拓地を上回る耕作放棄地が出ている。
長崎県知事は、アオコが湧いている調整池の水じゃなく、綺麗な農業用水を用意しろ。
被害が起こると心配している農民に、被害対策をきちんとすること。万が一被害が起きた時にはきちんと補償する。
これが長崎県知事がやることではないか。
義務の衝突などないではないか。
義務が衝突しているように見せかけて、それを煽っているのが長崎県知事ではないか。
長崎地裁仮処分を喜んでいるのは、この方々(農水官僚)。あなた方のは、長崎地裁仮処分があるので開門できないと言うが、仮処分出たのは11月じゃないか。じゃあ、それまで何かしてきたのか。何もしてきてないじゃないか。
農水省は長崎地裁仮処分については争わず、我々の間接強制については争うという。開門する気がない。
正面から憲法に敵対して言い訳がない。
裁判所から命じられた判決を守らないでいいのか。それを国民が許すのか。
私たちは絶対に許さない。
長崎地裁仮処分は、開門してはならないんではなく、対策工事をせずに工事をしてはならないということ。義務の衝突はない。
長崎県知事は、いかにも県民の生活を守っているかのように言うが、県民の声を聞く耳を持たない。
被害者は漁民だけじゃない。税金の無駄遣い。調整池のために毎年30億円を垂れ流している。あんなドブのために。開門したら、こんな浄化費用はいらない。分かり切っている。
この人達(官僚)は国を動かすのは自分たちだと思っている。大間違い。物事を決めるのは国民。

「やる気がない!」

(仁比)開門確定判決に従わないという前代未聞の事態が安倍政権によってなされた。強大な権力によって、漁民達を苦しめてきたこと行政の姿勢が断罪された。行政の蛮行である。自民党議員からは、開門判決を中途半端に確定した菅政権の責任など下らないことを言っている。自分達に都合が悪ければ、確定判決すら変えようとする。こんな人達に政治は任せられない。
あなた方(農水官僚)は国が相反する義務に板挟みになっているように振る舞い、長崎対佐賀、あるいは漁民対干拓農民という対立を作り、自分達は蚊帳の外。自分達は善意の第三者でございますと振る舞うあなた方を絶対に許さない。
あなた方の第一の罪は、ギロチンを強行したこと。
佐賀地裁、福岡高裁は、諫早湾干拓事業と漁業被害の因果関係を正面から認めた。漁業被害の調査すらしない国の姿勢を立証妨害であると断罪した。
では、長崎地裁はどうだったか。国は、有明海の漁業被害を主張しない。
漁民が国を相手に裁判をするなど到底考えられない漁村の雰囲気の中、宝の海を返せという思いで、困難を押して一人一人の漁民が決意し、家族が必死の思いで支えてきた。
佐賀地裁が工事差止仮処分を認めた時、あなた方は真っ先に意義を申し立てた。じゃあ、なぜ今、長崎地裁仮処分に意義を申し立てないのか。
佐賀地裁判決の控訴の段階で、長崎県知事の同意がない限り開門しないという路線を引いた。だから、民主党政権の時も、安倍政権になっても何にも物が進まない。諫早湾干拓の破綻と過ちを認めない。もともと国と長崎県は共犯。その親玉である国が過ちを認めず判決で言われたから嫌々判決に従うというのでは、長崎が反対するのも当然。
第二には、有明海沿岸地域の深刻な疲弊をどう打開し、活力ある沿岸地域を作って行くのか、彼らは全く語ることができないという罪。バラ色の夢をばら撒いて漁民を騙して諫早湾干拓事業に突き進んだ。それが嘘だったことが事実で証明されている。どこにバラ色の未来があるか。地域を分断し対立させた罪は重い。農魚共存で地域を再生する。その要となるのは開門と宝の海有明海の再生。複式干拓では叶えられることがなかった農業者の苦しみを解消し、諫早の地域で豊かに暮らして行く計画を農水省が立てるべきだ。干拓地沿岸の苦労は佐賀でも福岡でも熊本でも解決してきたじゃないか。それがなぜ諫早だけでできないというのか。
三つ目は、公共事業村とでも言うべき、利権にまみれた時代を、あなた方はもう一度やりたいだけではないか。漁業では生きていけなくなった漁民達をエセ再生事業でモノを言えなくしたのはあなた方じゃないか。子や孫に破壊されボロボロになった自然と借金だけを残す。
漁民と市民の団結で宝の海を取り戻そう。必ず開門を実現し豊かな有明の地域を取り戻す。
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(石田:長崎県瑞穂漁協組合長)11月に江藤副大臣に会った時、開門判決を揺るがないと言っておきながら、開けなかった。私たちは、諫早湾の堤防を壊せとは言っていない。水門を開け調査をしろと言っているだけ。なのに、国と長崎県は開門すると被害が出ると嘘を言って回る。
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(松本:長崎県有明漁協組合長)漁業の現状は厳しい。今年だけでも5人が海苔漁業をやめた。諫早湾調整池からの汚水が悪い。元の豊かな海を取り戻すためにこれからも戦う。
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(大鋸:佐賀県有明海漁協大浦支所)開門を楽しみにがんばってきたが、その夢は崩され、こころから起こっている。主幹産業であるタイラギが獲れない。今日の悔しさを国にぶつけ、戦いを続ける。

(高橋:熊本保健福祉大学教授)この間、アオコの被害を訴えてきた。調整池に海水を入れれば簡単に解決する。開門しなければ、アオコの被害はまだまだ続き、大変なことになる。あなた方は対策を講じているが、プールの水を耳かきで回す程度のもの。海洋に関するいくつもの学会が近々声明を出す。広大な干潟を失ったことがどういう意味があるのか。開門の持つ大きな意味。開門すべきでないという声明を出した学会はない。研究者の間では諫早湾は開門するしかないという点で一致している。干拓事業は、 生物多様性国家戦略にも反する。あなた方はその地位に上り詰めるのに相当な努力をしたはず。それを使い走りみたいな仕事をして。波風立てずに将来退職金をもらうということじゃなく、自分の胸の内で考えて有明海の再生のためにはどうすべきか声を上げなさい。
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(本田:長崎県民)必要な対策工事を取れば長崎地裁仮処分は吹き飛ぶ。開門確定判決はなくならない。開門こそ唯一の解決の道!農水省や長崎県がいくら妨害しようとも我々は宝の海を取り戻すまで戦う。
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(五島:長崎県民)あなた方は福岡高裁判決の主文には従うが、理由には拘束されないなど、面従腹背。腹の中では開門したくないと思っている。漁民の窮状を見て、もう一度、福岡高裁判決を読み直し、有明海の再生に取り組む気は無いのか。

(瀧戸:農地整備課長)確定判決の主文は受け入れている。主文には従う。

(五島)漁業被害があるので原因を調査するために開門するという判決の理由部分については。

(瀧戸)主文には従います。

(馬奈木)今の答えが国の答えなんです。裁判で負けていながら判決の理由に従わないとおうのは官僚の論理。「確定判決で言われたから開門しなければなりません」という農水省の姿勢が長崎地裁でしてきされた。判決に言われたからではなく漁業被害が起きているから開けるんでしょう。長崎地裁で叱られて、だから国が負けたんでしょう。今だに反省しない。我が一番。裁判所は強制力持っているから主文にだけは従う。それが今度は主文にすら従わない。

稲村弁護士が九州農政局長に抗議文を手交。
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逃げるように会場を後にする農水官僚。自分の仕事が恥ずかしくないか!
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posted by 後藤富和 at 23:05| 有明海

2013年12月22日

よみがえれ!有明海・国会通信

よみがえれ!有明海・国会通信181-184号を大橋法律事務所ホームページにアップしました。
http://www.ohashilo.jp/active/ariake.html
posted by 後藤富和 at 19:24| 有明海

国の開門義務不履行に抗議する

国の開門義務不履行に抗議する

 昨日をもって福岡高裁確定判決が命じた開門義務の履行期限が経過し,国が確定判決を守らないという憲政史上前代未聞の事態が生じた。三権分立という民主的国家体制の基本原則を踏みにじる国の暴挙に断固抗議する。
 2010年12月に確定した福岡高裁開門判決は,長く不漁に苦しむ有明海漁民にとって,かけがえのない希望の光である。有明海異変の主犯である干拓事業を不問に付したエセ再生事業に,有明海再生の未来はない。それは,有明海漁業の深刻な実態が,何よりも雄弁に物語っている。開門と開門調査なくして真の有明海再生・宝の海復活はありえない
 ところが国は,この間,確定判決を敵視し,干拓事業による漁業被害を認めようとせず,地元との合意を口実に開門義務の履行をサボタージュしてきた。そして,いままた,開門阻止仮処分を盾にとって開門義務の不履行を正当化しようとしている。
 しかしながら,開門阻止仮処分は,開門確定判決と矛盾するものでも,開門確定判決の不履行を正当化するものでもない。開門阻止仮処分が開門による被害発生の根拠としているのは事前準備の不備である。開門確定判決が命じた事前準備を国が誠実に履行しさえすれば,開門阻止仮処分の根拠は失われる。また,開門阻止仮処分は,開門確定判決が指摘した干拓事業による漁業被害を国が無視したことの結果でもある。開門阻止仮処分を導き出し,見かけ上の義務の衝突を演出したのは国に他ならない。
 国は直ちに開門確定判決を敵視する姿勢を改め,開門阻止仮処分の異議手続に真摯に対応すべきである。
 そもそも,開門に対する地元の不安を煽ってきたのは,防災も農業用水の確保も干拓事業なしにはあり得ないと虚偽宣伝を重ねてきた国であった。
 開門義務の確実な履行と科学的な開門調査の実施による漁業被害の解消,開門への不安を払拭する事前準備の実施,より根本的には干拓事業に頼らない本来の防災対策,毒性のアオコが異常繁殖するような調整池の水ではない安全・安心の農業用水の確保,これらは,いずれも両立可能な重要課題である。国が農・魚・防災共存の積極的な方針を打ち出せば,地元との合意は可能である。
 わたしたちは,国が開門確定判決敵視の姿勢を改め,農・魚・防災共存の開門を実現するまで,全力を挙げる決意である。

2013年12月21日

諫早湾開門確定判決「不履行」抗議集会
参加者一同
posted by 後藤富和 at 22:39| 有明海

2013年12月24日

【公害弁連】諫早湾干拓開門義務不履行に関する声明

諫早湾干拓開門義務不履行に関する声明

2010年12月、福岡高等裁判所は、国営諫早湾干拓事業の潮受堤防南北各排水門を判決確定から3年以内に開放することを命じる判決を下した。国はこの判決を受け入れ、2013年12月20日までに潮受け堤防南北各排水門を開放する法的義務を負うに至った。
福岡高裁開門判決及び国の上告断念の決断は、長年の漁業被害に苦しむ有明海の漁業者はもちろん、諫早湾干拓事業への公金支出に反対してきた長崎県民、また、公共事業による環境破壊に苦しめられてきた全国の公害環境問題の被害者、全国公害弁護団連絡会議をはじめとする公害環境問題に取り組んできた団体らに歓迎をもって受け入れられた。われわれは、長年にわたる諫早湾干拓事業をめぐる諍いに終止符が打たれると期待した。
しかし、福岡高裁判決に基づく開門義務の履行期限である2013年12月20日を迎えたが、国は、開門を実施しなかった。
開門義務を履行できなかった原因は国にある。国は、福岡高裁判決を受け入れた後も、有明海の漁業被害を認めず、そのため、開門が持つ意義を長崎県や諫早湾干拓地及び周辺地域の営農者に理解させることができなかった。その上、国は、3年もの期間を与えられていながら、農業者らに対する被害防止対策を怠ってきた。その結果、開門によって農業に被害が出るかもしれないとの農業者らの不安感を払しょくできず、農業者と漁業者との対立を招くに至った。
国が、確定判決に基づく義務を履行しないというのは、三権分立を定めた憲法違反の行為であり、法治国家として断じて許されるものではない。
この間にも、有明海の漁業者は、漁業被害に苦しんでいる。有明海の再生に向けた潮受堤防南北各排水門の開放は急務である。
国は、確定判決に基づく義務を履行できなかった事実を真摯に反省するとともに、今も続いている諫早湾干拓事業による有明海の漁業被害を認め、一日も早い開門の実現に向けてあらゆる手段を講ずべきである。

2013年(平成25年)12月24日

全国公害弁護団連絡会議
posted by 後藤富和 at 12:56| 有明海

【ラムネット、環境法律家連盟】諫早干拓・開門の不履行に対して強く抗議する

諫早干拓・開門の不履行に対して強く抗議する

我々は、内閣総理大臣および農林水産大臣が、福岡高裁の確定判決を遵守せず、国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の常時開放(開門)を12月20日の期限が過ぎたにもかかわらず実行しないことに対して、強く抗議する。
確定判決を国が守らないことは法秩序の崩壊であり、法治国家として前代未聞の異常事態である。民主主義国において、あってはならないことである。
我々は、国が確定判決に従って早急に開門の道筋をつくり、実際に開門を行って有明海の潮流・潮汐をとりもどし、自然環境の再生と漁業資源の回復、漁業者の生活再建、干拓地農業との共存を実現することを、強く要求する。

福岡高裁の確定判決は、多くの漁民の証言や科学者の研究結果にもとづいて、諫早湾干拓事業と有明海漁業被害の因果関係を認め、被害回復のために3年間の準備期間と5年間の水門の常時開放(開門)を命じたものである。
しかし、農水省は、3年の間に利害関係者の合意を得ることができず、開門準備工事も一切行わないという状況であった。これは、開門を阻みたいという農水省のサボタージュであり、確定判決に不誠実な対応をとり続けた結果であり、その責任は極めて重大である。
一方、長崎県知事は、県知事として県民の利害関係の調整をまったく行わず、開門阻止のみを強調して農水大臣や佐賀県知事との話し合いも拒否するなど、確定判決をないがしろにする態度をとり続けており、これでは知事の職責を果たすことは不可能である。
総理大臣および農水大臣は、国会では「確定判決を遵守する」と答弁しながら、農水官僚および長崎県という行政機関の「確定判決を遵守しない脱法行為」に対して、何ら対応せず、責任も取っていない。これでは、司法、立法、行政という国の根幹が崩壊しつつあると言わざるを得ない。
長崎地裁の開門を認めないという仮処分は、農水省が漁業被害を認めず、開門準備工事をサボタージュしたことが原因であり、準備工事により湛水被害の防止や農業用水の確保ができれば、仮処分問題は解決するはずである。
我々は、国が確定判決を遵守し、利害関係者の合意を得て早急に道筋をつけ、水門の常時開放(開門)を実行し、自然環境の再生と漁業資源の回復、漁業者の生活再建、干拓地農業との共存を実現することを、強く要求する。

2013年12月24日

NPO法人 ラムサール・ネットワーク日本
日本環境法律家連盟
posted by 後藤富和 at 13:05| 有明海

【日本魚類学会、日本生態学会、日本鳥学会 、日本ベントス学会】有明海奥部の貴重な生物相と生態系機能を保全する見地から諫早湾の潮受け堤防の排水門開放を求める要望書

有明海奥部の貴重な生物相と生態系機能を保全する見地から諫早湾の潮受け堤防の排水門開放を求める要望書

今から約17年前(1997年4月14日)、有明海の奥部に位置する諌早湾(約100 km2)において、湾奥部36 km2(このうち29 km2が大潮時に干出する干潟)を全長7 kmの潮受け堤防で完全に閉め切る「潮止め」が実施されました。これにより有明海の全干潟の12%(日本の全干潟の6%)が一度に失われました。この大規模干拓事業の目的は、当初は水田のための農地造成でしたが、後に、水田が畑作地に変更され、また、新たな目的として高潮対策などの「防災」が追加されました。
この事業の大きな問題の一つは、干拓によって失われる干潟生態系の重要性がほとんど無視された点にあります。これまでに生物学の基礎研究は、陸と海のはざまに位置する干潟の生態学的な重要性を明らかにしてきました。まず、干潟の生態系は、その高い生物生産力によって、豊富な水産資源を生み出すと同時に、陸から海に流入する栄養物質(窒素やリンなど)の多くを吸収、除去する機能(水質浄化機能)がたいへん大きいことがわかっています。また、そこは、魚介類の産卵・生育の場所としても重要であることがわかっています。さらに、有明海奥部の干潟とそれに続く浅海域は、絶滅が危惧される多くの生物種がまとまって生き残っているきわめてまれな場所であることも重要です。すなわち、諫早湾を含む有明海奥部は、東京湾をはじめとする日本中の内湾が失ってしまった本来の生物相とそれに支えられた高い生産力が最もよく残っている場所なのです。国際的な合意事項である生物多様性保全という観点からは、この海域は、日本の沿岸海域の中で最も保全が重要な「生物多様性のホットスポット」と言えます。
諫早湾干拓事業は、このような有明海奥部の貴重な生物相と生態系機能を大きく損ねてしまうことが当初から懸念されていました。実際に、諫早湾の閉め切り以降、有明海奥部では、大規模な赤潮が頻発するようになり、夏場の海底の貧酸素化も顕著になっています。少なくとも諫早湾内(潮受け堤防の外側)においては、諫早湾の閉め切りが潮流を著しく減衰させたことが明らかになっており、それが赤潮の頻発や海底の貧酸素化を促進していると考えられます。それらの知見に基づいて、生物学の研究者組織(日本魚類学会、日本生態学会、日本鳥学会、日本ベントス学会など)は、1997年から2012年にかけて、同事業の中止・中断、諌早湾の原状復帰、あるいは長期開門調査の早期実施などを求める要望書を合計6件、日本政府や地元自治体に提出してきました(添付資料のとおり)。しかし、これらの要望は無視され、事業が進み、今日に至っています。これまでの要望書の中で危惧された問題は、増々深刻なものになりつつあります。
2010年12月の福岡高等裁判所による確定判決は、諫早湾干拓事業と諫早湾内の漁業被害(大型底生二枚貝のタイラギを対象とした漁業等)の因果関係を認め、「諫早湾の潮受け堤防の排水門の5年間開放」を2013年12月20日までに実施するよう国に命じました。この確定判決は、現在の漁業者の危機的状況を救済するために諫早湾の環境復元を求めています。そのことは、長期的な視点に立って豊かな漁業を支える基礎としての生態系の保全を求めてきたこれまでの私たちの要望に合致するものです。
一方、2013年11月には、長崎地方裁判所が、干拓地に入植した営農者に対する影響などを考慮し、「排水門の開放」を差し止める仮処分を決定しました。しかし、この決定には、「排水門の開放」を差し止めた場合の有明海の環境悪化やそれに伴う漁業被害が全く考慮されていません。有明海の自然の再生を目標に据えた上で、有明海の漁業と干拓地の農業のあり方を総合的に議論する必要があります。
有明海奥部における環境悪化の進行は、この海域に残されている生物多様性とそれに支えられた漁業を崩壊させてしまう恐れがあります。たとえば、有明海奥部での漁獲対象物であるウミタケ、アゲマキ、ハイガイなどは、いずれも絶滅が危惧される種であり(日本ベントス学会 2012)、国内では、有明海奥部以外には大きな個体群はもはや存在しません。これらの種の絶滅の危機を回避し、漁業の基盤を維持するためには、一刻も早い諫早湾の環境復元とそれによる諫早湾の干潟生態系の再生が望まれます。
以上のことから、私たちは、日本政府に対して、次のことを要望します。
) 有明海奥部に残されている貴重な生物相と生態系機能を保全するために、福岡高裁の確定判決に従って、すみやかに「諫早湾の潮受け堤防の排水門の開放」を実施し、諫早湾の干潟生態系の再生を実現させること。
) 福岡高裁が命じた5年間の「排水門の開放」の間に、諫早湾干拓事業が有明海奥部の広い範囲に環境悪化と漁業不振をもたらしている可能性を検証するため、適正な調査を実施し、それに基づいて、諫早湾の長期的な自然再生を含む新たな有明海の環境保全策を検討すること。
以上。

2013年12月20日

日本魚類学会 会長 木村清志
日本生態学会 自然保護専門委員会 委員長 矢原徹一
日本鳥学会 鳥類保護委員会 委員長 大迫義人
日本ベントス学会 自然環境保全委員会 委員長 佐藤正典
posted by 後藤富和 at 13:11| 有明海

【日弁連】諫早湾干拓事業の排水門の開放に関する会長談話

【日弁連】諫早湾干拓事業の排水門の開放に関する会長談話

福岡高等裁判所は、2010年12月6日、国に対し、諫早湾干拓事業(以下「本件事業」という。)で建設された潮受け堤防の南北各排水門について開放(以下「開門」という。)することを命じる判決を言い渡した。この判決においては、国が農業者等の利害関係者に被害が生じないような対策を行うために、判決確定から3年間の猶予期間が認められていた。しかし、国はその履行期限である2013年12月20日までに、その対策を怠ったため、開門することができなかった。

本件事業については、開門による被害を訴えた農業者らの申立てを受け、長崎地方裁判所が2013年11月12日に開門を差し止める仮処分決定を出しているが、かかる決定がなされたのは、国がその手続の中で、上記福岡高裁の判断の基礎となった、開門しないことによる漁業行使権侵害の事実を主張しなかったこと等による。そもそもこのような混乱した状況は、国が、自ら主張し、認められた最大の期間である3年間の猶予期間を有効に使わず、農業者等に対する被害対策を怠ったことにより生じたものであって、漁業と農業を共存させるという農林水産省の本来の職責を果たしていないからに他ならない。

当連合会は、諫早干潟の貴重で自然的な価値を評価するとともに、「宝の海」と呼ばれ、生物多様性に富んだ有明海に、本件事業後、「有明海異変」と呼ばれる環境の悪化が発生したことを踏まえて、本件事業に関し、これまで意見を述べ続けてきた。すなわち、1997年5月以降、2度にわたる意見書及び7度にわたる会長声明(会長談話)を発表して、排水門を開放し堤防内に海水を導入することや、中・長期開門調査の実施を求めてきた。さらに、福岡高裁判決に際して、ただちに開門するための準備に着手することも求めてきたところである。

当連合会は、国に対して、漁業と農業の共存を可能とするよう農業者に対する十分な対策を実施するなど、開門に向けてあらゆる手段を講じ、有明海再生のために第一歩を踏み出すことを強く求めるものである。

2013年(平成25年)12月24日
日本弁護士連合会
会長 山岸 憲司

http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2013/131224.html
posted by 後藤富和 at 13:21| 有明海

よみがえれ!有明訴訟・間接強制申立

有明海の再生に取り組む私達の同志である大串博志衆議院議員(民主党)。
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タイラギ潜水漁師の平方宣清さん。
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長崎県島原市の漁師吉田訓啓さん。「南総」以来の諫早湾干拓事業を巡る長く苦しい戦いを語っています。
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今の有明海が死の海になっていて、今年最後の漁がわずか魚15匹で終わったこと。
来年どうやって生活すれば良いのか、苦しさをにじませる長崎県の漁業者中田猶喜さん。
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佐賀のノリ養殖漁師の川崎賢朗さん。
長崎県諫早市小長井町の漁師松永秀則さん。
長崎県瑞穂漁協組合長の石田徳春さん。
熊本県横島漁協組合長の中尾さん。
熊本県河内漁協の木村さん。
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皆さん、宝の海有明海の再生、農漁共存の地域繁栄を訴えています。
木村さん「堪忍袋の緒が切れた!」

これから漁民達とともに佐賀地裁に間接強制を申し立てます。
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posted by 後藤富和 at 14:24| 有明海

【声明】間接強制の申立について

【声明】間接強制の申立について

2013年12月24日
よみがえれ!有明訴訟弁護団

 本日,福岡高裁開門判決に基づき佐賀地裁に間接強制を申し立てた。
 同判決は,3年の猶予期間内に準備工事を行った上で,5年間の潮受堤防南北排水門開放を命じるものであった。この5年間のうちに,いわゆる開門調査が実施されることを前提としている。本年12月20日をもって,猶予期間が経過したが,同判決の開門義務は履行されないままである。
 すでに1997年4月の潮受堤防締切り以来,16年以上の月日が経過した。この間,有明海漁民は,不漁に苦しみ続けてきた。多くの漁民が,生業としてきた漁業をあきらめ,その結果,漁協の組合員数は激減し,漁業によって支えられてきた地域社会は疲弊した。多額の借金に苦しみながらみずから命を絶った漁民も少なくない。開門と開門調査は有明海漁民の悲願であり,福岡高裁開門判決は,有明海漁民にとって,かけがえのない希望の光である。国は,長期にわたって有明海異変の主犯である干拓事業を不問に付したエセ再生事業によって批判をかわそうとしてきたが,干拓事業を不問に付したままの場当たり的エセ再生事業に有明海再生の未来がないことは,現に継続する有明海漁業の深刻な実態が雄弁に物語っている。開門と関門調査なくして,真の有明海再生・宝の海復活はありえない。
 しかるに国は,判決主文には従うが,主文の根拠となった裁判所の判断には従わないなどという不遜な態度に終始し,判決が指摘した潮受堤防締切りによる漁業被害の発生を否定し続けてきた。わたしたちが農・魚・防災共存の開門を粘り強く訴えてきたにもかかわらず,地元長崎の反対を口実に開門事前工事をサボタージュし続けてきた。最近では,いわゆる開門阻止仮処分を根拠に開門義務の不履行そのものを正当化しようとしている。開門阻止仮処分が福岡高裁開門確定判決と矛盾するものではないことは,わたしたちがつとに指摘してきたとおりである。国の無策とサボタージュは意図的と言っても過言ではない。
 国が確定判決を守らないなどという三権分立と法治国家の原則を否定し去る憲政史上前代未聞の事態は,有明海のみならず,この国の民主主義の将来そのものを危うくするものであり,到底,看過できるものではない。
 以上の次第で,本日,わたしたちは間接強制の申立を行った。
 間接強制によって国が支払う金員については,漁民とも協議の上,有明海を再生し,宝の海を取り戻すための調査・研究・運動の基金として管理する所存である。
posted by 後藤富和 at 14:46| 有明海

【漁民・市民ネット】開門確定判決の不履行に対する抗議声明

【漁民・市民ネット】開門確定判決の不履行に対する抗議声明

 諫早湾潮受け堤防排水門の常時開放を求めた福岡高裁確定判決の履行期限を過ぎ、国が確定判決を履行しないという憲政史上例がない異常事態が現実となってしまった。法秩序を無視した国の傲慢な姿勢に対して、ここに強く抗議する。
 判決確定からの3年間、農水省は、長崎県などの理解が得られないことを口実に開門準備をサボタージュする一方、開門差し止め訴訟において、開門に反対する原告弁護団や長崎地裁と「出来レース」を演じ、福岡高裁の判決とは相反する仮処分の決定が下されるように画策してきた。そして今、「二つの法的義務」に板挟みとなり苦悩しているフリをしながら、着々と開門断念へと進もうとしている。本来、国は、開門差し止めの訴訟に対しては、法秩序を守る立場からこれを門前払いにすることを主張して争うべきであったが、あろうことか確定判決が認めた漁業被害をも認めないという不遜な態度で、開門差し止めに協力してきた。
 開門によって被害が出るという主張は、長年にわたる開門訴訟を通じて議論を戦わせてきたものであり、対策を施すことで農業と漁業は共存できるという結論で争いに終止符を打ったはずである。この結論は司法の場で決着したものであり、これを覆そうという長崎県などの脱法的言動は、民主主義に対する挑戦である。これを許した長崎地裁の決定も言語道断だが、何よりも今日の混乱の一番の責任は農水省にある。差し止め仮処分においても、国のサボタージュが決定理由になっているに過ぎず、開門を求めた確定判決とは何ら矛盾しない。要は、国が開門の準備を直ちに始めることである。長崎県の理解が法的義務に優先するなどということが罷り通るなら、民主主義社会は成り立たない。
 有明海は、本当に瀕死の状態にあり、特に漁船漁業は生活が成り立たないほどに疲弊している。タイラギをはじめとする魚種が絶滅の危機にあり、生活苦による自殺者も後を絶たず、有明海再生には不可欠である諫早湾の開門は一刻の猶予も許されない。長崎県などが主張する「開門に伴う被害」は対策で克服することができる一方、有明海で今起こっている被害は諫早湾の開門なしには解消することができないのである。問題の解決を困難にしているのは、今日の混乱をもたらしたことへの反省と謝罪をしない国の不誠実な態度にある。内閣全体の責任として、確定判決を履行できなかったことを謝罪し、開門を一日も早く実現することを強く要求する。

2013年12月24日

有明海漁民・市民ネットワーク

posted by 後藤富和 at 15:24| 有明海

風船発見情報47,48

風船発見情報

47
連絡12/16 11時 発見12/8
武雄市北方町大字芦原
かなりぐちゃぐちゃ。「一番遠くはどこまで?」と聞かれたので「今回は阿蘇市、過去は奈良までとびました」と答えると「かなり遠くまで飛ぶんですね。こわいですね」と話していました。

48
連絡12/24 12:16 発見1週間ほど前
熊本県菊池市豊間
メッセージなし
posted by 後藤富和 at 17:41| 環境

2013年12月27日

【お知らせ】学習会「じのーんちゅの憂鬱 普天間基地のそばに生まれて」

中央区九条の会、terra cafe kenpouでは、
下記日程で沖縄基地問題・憲法・平和学習会を企画しています。

皆さん、ぜひご参加ください。

沖縄基地問題・憲法・平和学習会

「じのーんちゅの憂鬱 普天間基地のそばに生まれて」

【日時】2014年2月1日(土)14時〜16時45分

【場所】福岡県農民会館(福岡市中央区今泉)

【資料代】300円

【講師】 天久泰弁護士

  第2部 若者が見てきた沖縄(岡村澄江、田中美央)

  第3部 terra cafe kenpouの紹介

【主催】  中央区九条の会、terra cafe kenpou

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posted by 後藤富和 at 11:43| ご案内

2013年12月31日

靖国参拝に対する日弁連会長談話

安倍総理の靖国参拝に対する日弁連会長談話。
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2013/131226.html
政教分離という近代国家の大原則からしたら許されるわけないという極めてシンプルな問題です。
主義主張云々言うまでもなく許されないのは当たり前です。
posted by 後藤富和 at 08:29| 平和